スピード・・じゃない!実は5000mで本当に重要な能力と、その高め方とは?
- 深澤哲也(ウェルビーイング株式会社副社長)
- 6月14日
- 読了時間: 12分
更新日:6月14日
突然ですがあなたは、5000mの走力=スピードだと思っていませんか?
普段フルマラソンをメインに取り組まれているとしたら、5000mはとても短く感じるでしょう。距離が短いということは、ペースも速い。そうなると、5000mで最も大事な能力はスピードだと考える。むしろ持久力に関しては、フルマラソンを走れてるわけなので、それほど問題だとは思わない。
そう考えるのは、とても自然なことだと思います。なにしろ私自身も全く同じ勘違いをしたことがあり、その気持ちはとてもよくわかるからです。
私がまだ13歳の頃、当時陸上競技を始めたてで、最初は1500mにずっと取り組んでいたのですが、ある時800mを走る機会がありました。800mなら、いつも走っている1500mの半分程度の距離だから、ある程度ぶっ飛ばしてもいけるだろう。そう思った私は、400mトラックの1周目を61秒で通過しました。ダントツの1位です。
しかし、2周目に入った瞬間私は力尽き、精魂尽き果てまるでゾンビのような走りと化し、2周目は82秒もかかりました。1周目と比べて20秒以上タイムが落ち、二人に抜かれてゴールしました。
そう、たった800mという距離でさえ、スピードだけでは乗り切れなかったのです。それであれば、5000mになれば尚更スピードだけでは当然乗り切れません。もっと重要な能力が存在するのです。
今回のブログでは、5000mにおいて本当に重要な能力とは何か?またその高め方はどうするのか?ということを解説していきます。これを読めば、5000mが速くなるためにはとにかくインターバルをする、という選択を取ることは決してなくなるでしょう。
5000mで最も大事な能力とは「スピード持久力」
確かに、5000mでスピードは大事です。いわゆる最大スピードが高ければ高いほど有利なのは間違いありません。
ですが、それよりももっと重要なことがあります。それが「スピード持久力」です。
スピード持久力とは、要するに「最大スピードからいかに落とさず、長く走り続けられるか」です。5000mはフルマラソンに比べると当然、最大スピードからの落ち幅が少ない状態、つまり全力にある程度近い状態で走る必要があります。すると当然、苦しいですよね。その苦しい状態で、どれだけ走り続けられるかという勝負なんです。
ここで重要なのは、この能力は「スピード」とか「瞬発力」ということではなくて、あくまで「持久力」だということです。最大筋力を発揮してトップスピードを出す運動のことは「最大運動」と言うのですが、5000mの場合はあくまで「最大下運動」、つまり、最大筋力は発揮せずに、その下のレベルの出力を出し続ける必要があるからです。
そして、スピードを維持するための持久力に関して重要になってくる能力が二つあります。これが、5000mにおいて本当に重要な能力です。それぞれ見ていきましょう。
1:代謝系の能力
持久力を決める大きな要因の一つ目は、代謝系の能力です。
代謝というのは、生体内で行われる化学反応のことです。平たく言えば、私たちが活動したり運動したりするときに必要なエネルギーを作る営みのことを代謝と言います。私たちは体内で代謝をすることで、食べたものをエネルギーに変換したり、それを元に運動したりします。
そして、代謝でエネルギーを生み出すためには材料が必要です。ここで代謝の種類が二つに分かれるのですが、一つは酸素を使う「有気的代謝」で、もう一つが酸素を使わない「無気的代謝」です。
これらの代謝は、主従関係で言えば「有気的代謝」が主、「無気的代謝」が従となります。なぜなら、私たちが生きている中ほぼ全ての状況でメインで使っているのは有気的代謝の方であり、無気的代謝とは非常時に陥った時、一時的に使用するものに過ぎないからです。
なぜこのような使い方になっているかというと、それは有気的代謝の方がエネルギー効率が良いからです。有気的代謝の方が圧倒的に、疲れずに大きなエネルギーを生み続けることが可能です。
実は、短時間で大きなエネルギーを生み出すには無気的代謝の方が優れています。しかし、それでも有気的代謝をメインで使うようにできている理由は、無気的代謝を使うことによる「代償」にあります。その代償とは「乳酸」と「水素イオン」です。
無気的代謝を使うと、乳酸と水素イオンが生成されてしまうのですが、乳酸と水素イオンが血液中に溜まると、血液のpH値が酸性に傾きます。
これがまずいのです。人間の体は、血液pH値が「弱アルカリ性」になっているのが最も良い状態なのですが、酸性化すると最適状態から離れることになります。そうなると、代謝が回らなくなるのです。
代謝が回らないというのは、エネルギーの生成が遅くなるということです。走っている最中にエネルギーの生成が遅くなるとどうなるか、もうお分かりですよね?そう、ペースが維持できなくなるのです。これが、失速の原因です。
よく5000mくらいのレースだと、最初にペースが速すぎて後半に大きく失速していく選手がいますが、これは速い段階から無気的代謝を使いすぎて、乳酸と水素イオンがどんどん溜まっていき、血液pH値が酸性化した結果、代謝が回らなくなって、エネルギーの生成が追いつかなくなることで起きている現象です。
つまり、5000mを速く走ろうと思ったら、なるべく無気的代謝を使わずに走れるようになることが重要です。そうすることで、乳酸や水素イオンという厄介なものをなるべく溜めずに走り続けられるので、ある程度速いペースで走っていても、ペースが落ちないというわけです。
そして、なるべく無気的代謝を使わずに走ろうと思ったら、有気的代謝の能力を向上させるしかありません。その鍵を握るのは、ミトコンドリアという器官です。

ミトコンドリアとは、細胞の中にいる器官で、これが酸素を使ってエネルギーを生み出している張本人です。このミトコンドリアの数がどれだけ多いか、そしてミトコンドリアの働きがどれだけ良いかによって、酸素を使ってどれだけエネルギーを生み出せるかが変わります。つまり、長距離ランナーの基本性能=ミトコンドリアの基本性能、なのです。
だからこそミトコンドリアの機能を高めることが、5000mにおける走力向上につながるのです。そのためには、日常的にミトコンドリアをたくさん使うことが重要です。
ポイントは、ある程度の負荷を、しっかり反復することです。最も簡単にできるアクションプランは、走る頻度を増やすことです。これだけでも本当に、全然変わってきます。そして次に、一回あたりに走る量を増やすことが非常に重要です。
2:ランニングエコノミー
一つ目の代謝系の能力が前提にあって、その上で重要なもう一つの鍵は、ランニングエコノミーです。要するに、目標とする5000mレースペースで走ったときにおけるランニングエコノミーを改善することが求められます。
ランニングエコノミーとは明確な定義があって、それは「ある任意のペースで走った時の酸素消費量」です。
平たく言えば、燃費です。例えば、5000mで20分を切りたいと思ったときには、1km4分というペースで走り続ける必要がありますよね。この時、1km4分というペースで走るために、どれだけの酸素が必要なのかという話です。この時の酸素消費量が減るということは、つまり1km4分ペースで走るために必要な酸素の量が少なくなる=1km4分ペースが楽になる、ということを意味しています。
これは考え方としては、車の燃費と同じです。ガソリン1ℓで走れる距離が延びるのと全く同じ考え方で、同じ酸素の量で出せるペースが速くなるとか、ペースが維持できるようになるとか、同じペースで走れる距離が延びるということが起こります。
つまり、ランニングエコノミーというのは、代謝系によって生み出したエネルギーを「無駄遣いしない」ために重要な能力です。この能力は、目標とするレースペース付近での練習を反復することで鍛えられます。
とはいえ、いきなり目標のレースペースでの練習をたくさん行うのは難しいでしょう。5000mでのレースペースというのは、決して楽ではありません。だからこそ、最初はなるべく密度を高く有酸素刺激を体にかけて代謝系の向上をしてから、レースが近づいてきたら目標レースペース付近での練習を増やしていくという方法を取るのが効果的なのです。
いかがでしょうか?ここまでお話ししてきた二つの能力、これらがあってこそ、トップスピードから見て小さな落ち幅で走れるようになりますし、またそのペースで長く持続できるようになります。それが、5000mのタイムが延びることにつながるのです。必ずしもスピードだけで5000mが乗り切れるものではないことがイメージできたのではないかと思います。
そして、ここからは5000mで20分を切りたい方にご案内です。ここまで解説してきた5000mのタイムを伸ばすために必要な概要をもっと詳しく解説し、さらに5000mで20分を切るための具体的な方法論まで解説した講義を作りました。それが「5000m20分切りのためのトレーニング」です。
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今回の講義では、5000mのタイムを伸ばすための基礎知識から、5000mでの20分切に焦点を当てた具体的なトレーニング例まで、大阪マラソン日本人トップで、コーチとしてはこれまでのべ5000人の市民ランナーさんのコーチング実績を持つ、弊社代表の池上秀志が解説します。
具体的には、以下の内容について解説させていただきます。
・よくある5000mに対する誤解
・5000mにおける運動生理学
・代謝系とは
・有気的代謝と無気的代謝
・乳酸について
・耐代謝性アシドーシスとは
・ミトコンドリアについて
・5000mレースにおけるランニングエコノミー
・スピード持久力の重要性
・期分けについて
・具体的な練習例
・12週間の練習プログラム
・レース戦術
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こちらの講義にお申込み頂けるのは6月22日日曜日までとなっておりますので、申し込み遅れのないようにお願いいたします。
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ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤哲也
よくある質問とそれに対する回答
Q:支払いは一度限りですか?
A:はい、お支払いは一度きりで、死ぬまでご利用頂けます。仮に一年ご利用いただくとして月額たったの500円でご利用いただけます。
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Q:販売元のウェルビーイング株式会社なんて聞いたことありません。
A:講義者の池上秀志が2020年1月に創設したばかりのまだ新しい会社です。池上秀志が2017 年から書き始めたブログを母体としながら、ブログやオンライン講義でランナーのための情報発信を続け、現在はチャンネル登録者数42000 人の「ティラノのランラボチャンネル」を運営し、自身もフルマラソン2時間29分の記録を持ち、コーチとしては滋賀県チャンピオン3人、ジュニアオリンピック優勝者を育て上げた深澤哲也、富山マラソン3位(マラソン2時間23分)の実績を持ち、子供たちに英語やランニングを教える水越進一、1500mで東海インカレ2位に入り、名城大学の大学駅伝2連覇をマネージャーとして陰から支えた斎藤晴香(旧姓早乙女)さん、インターハイチャンピオンから主婦や学生まで幅広く体幹トレーニングを担当する小谷祥子さん、高校時代に3000m9分30秒をマークした長谷未生菜さん(旧姓高田)らと日本一の学び場運営を続けています。
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