練習メニューを考える際に絶対に守るべき、トレーニングの組み方の順序とは?
- 深澤哲也(ウェルビーイング株式会社副社長)
- 15 時間前
- 読了時間: 15分
突然ですがあなたは、週間や月間のトレーニングメニューをどのように組んでいますか?
例えば1週間という期間の中でも、ジョグや低強度のような楽な練習から、中強度やスピードワーク、距離走などといった高強度な練習まで、色々な練習の種類があるでしょう。
そして、こうした様々な種類のトレーニングを
どんな順番で組むのか
ということが非常に重要なポイントになります。
なぜなら、トレーニングというのは組み方次第では全く別物に変化してしまうからです。
例えば1週間の練習を考えるときに、以下の練習が候補としてあったとします。
・30分ジョグ×2
・10km中強度走×3
・1km×5
・30km走
これをどのような順番で組み立てるのか次第で、1週間通しての練習計画としては全く別物になるのです。
そして恐ろしいのが、組み方次第でトータルで体にかけられる負荷のレベルが変わってしまうということです。
例えば全部で100ある負荷の内の50しかかけられない組み方があれば、90くらいかけられる組み方もあります。
何をどの順番で入れるのか?どういう練習同士を隣り合わせるのか?それを変えるだけでもその週や月当たりのトレーニング全体としては全く別物になってしまうくらい、練習の順番というのは大事なものなのです。
では、どのように週間や月間の練習を並べていったら良いのか?
今日はそのポイントをお伝えしていきます。
1:高強度な練習同士はなるべく離す
まず第一に、本来は高強度な練習は連続して行うことをお勧めしません。
「そうは言っても、土日が休みなので土日しか高強度ができないのですが・・」と言われる方は多いと思います。私も土日休みのカレンダー通りの仕事をしていた時代は長かったので、平日に時間を作る大変さはとてもよくわかります。なので、次善の作として土日セット練習というやり方をお勧めすることもありますが、本当は高強度な練習同士はなるべく離したほうが良いです。
なぜなら高強度な練習をあまり連続してやると、疲労も出て一回あたりの練習の質も落ちてしまい、場合によっては本来の目的が達成できないことがあるからです。
また、こなせたとしても連続した高い負荷に対して体が対応できず、トレーニング刺激に対して不適応を起こすことも十分考えられます。
本来、トレーニングというのは負荷です。体の仕組み上、負荷をかけると一時的にパフォーマンスが下がるようにできています。つまりトレーニングというのは体を壊す行為であり、弱くする行為なのです。
しかし、そこから適切な休養を挟むことで、低下したパフォーマンスが元の位置まで戻ります。これが「回復」です。そして、元の位置からさらに回復力が働いて、元以上の位置に到達することでパフォーマンスレベルが上がります。これがトレーニングに対する「適応」です。
この適応を起こすためにはいくつか条件があるのですが、その中でも最も重要なものが「ある程度の身体的余裕があること」と「適切な休養を設けること」です。
しかしながら、連続して高強度な練習を行うと、身体的余裕度も下がりますし、また回復しきらない中で追い焚きのようにもういっちょ負荷をかけることになるため、回復にもより多くの時間を要します。その結果適応が遅れたり、場合によっては適応までいかずに回復で精一杯になってしまう可能性もあります。それはつまり極端に言えば、トレーニングをしても効果を得られないということになります。
これを避けるためにも、高強度な練習同士はなるべく離すことが望ましいです。例えばですが、水曜日と土曜日に高強度な練習を入れるというパターンにすれば、常に高強度な練習同士の間は2~3日空くことになるので、まだ回復のための時間を取りやすいです。
いずれにしても高強度な練習は、多くても週2~3回程度が限度になってくると思いますので、このようにして平日一回と週末、みたいな感じで組むのがお勧めな考え方ではあります。
2:なるべく異なる刺激を隣り合わせる
これも考え方としてはとても重要なことです。
なぜなら、人間の体は同じ刺激を連続してかけ続けると、段々と不適応を起こすリスクが高まってしまうからです。
例えば、わかりやすいように極端な例を出すと、毎日1km×5本のインターバルをやるとしましょう。この場合、最初はとても効果を感じると思います。なぜならこれまでやってこなかった刺激が体に入るからです。人間の体は、やっていないことや新しい刺激に対してよりよく反応するという特性があるのです。
しかしそれを1週間ずっと続けたとします。もう間違いなく、明らかに一回あたりの練習効果が薄れてくるでしょう。2週間も毎日続けたら、もう効果を感じないどころか、むしろ疲労によるマイナスの方が完全に大きくなるでしょう。
極端な例えでしたが、イメージはしていただけたかと思います。つまり、全く同じ刺激をずっとかけ続けていると、体は段々その刺激に対して適応しなくなってしまい、結局疲れが溜まるだけで練習効果を得られなくなっていきます。
それを防ぐためには、できるだけ練習にメリハリをつけることが大事です。具体的には「長・短」と「速・遅」のメリハリを意識しましょう。
まず「長・短」というのは距離や時間でメリハリをつけることです。要するに毎日同じ距離ではなくて10kmの日もあったり、20kmの日もあったり、はたまたリカバリーで5kmの日もあったりと、距離や時間の面で違いをつけるということです。
そして「速・遅」というのは、走行距離に応じてペースを変えていくということです。
距離が長くなるほどもちろん走れるペースは遅くなりますから、ここは必然的に決まっていくでしょう。
例えば具体例を出すと、同じ「中強度走」だとしても、8km走って中強度となるペースと、16km走って中強度となるペースは違うはずです。特に基礎構築期のように、連日のように中強度走を行っていきたいようなマンネリ化しやすい時期に関しては、このように「長・短」のメリハリをつけることで自然と「速・遅」のメリハリもつくようになります。
このように微妙な匙加減ではありますが、二つの観点からのメリハリを意識することでトレーニングの刺激に対して適応しやすくなるのです。
加えて、練習の大雑把な種類ごとに考えて、違う刺激同士を隣り合わせるのも大事です。例えば距離走や中強度走みたいな持久系の練習が隣り合うよりも、スピード系の練習をしてから距離走がくるとか、そういった違う刺激が隣り合うようにした方が相性は良いです。似た刺激同士が連続してくると、これも不適応のリスクが上がります。
このようにメリハリを設けること、そしてなるべく違う刺激同士を隣り合わせることを意識することも重要です。
3:スピード系の練習の翌日に距離走を入れる
とはいえ、どうしても土日にしか高強度な練習ができないという方も多いと思うので、その場合の練習の組み方のコツとして「スピード系の練習の翌日に距離走を入れる」ということがあります。
例えば、土曜日にインターバルをやったなら日曜日に距離走を入れる、という具合です。
これの逆は基本的にうまくいきません。というのも、速い動きから遅い動きへと落とし込むのはやりやすいのですが、遅い動きから速い動きだとどうしても体が対応しづらいです。
また、それぞれの練習の疲労の種類も大きく関係しています。距離走は基本的には接地の衝撃の積み重ねによる筋疲労です。一方で、スピード系の練習の場合は乳酸系の疲労であることが多いです。
接地の衝撃による筋疲労が蓄積している場合、そもそも脚を少し休めないと動きません。スピードを出したくても出せない状況になり、スピード練習をしようと思ってもどうしても質が下がります。
一方、乳酸系の疲労というのは、ペースを落とせば対応できることが多いです。乳酸というのはペースが上がって無酸素代謝を使うことによって発生しまうので、基本的に距離走では発生しません。つまり、筋疲労系の疲れはスピードワークにも影響しやすいのに対して、乳酸系の疲れは距離走には影響しにくいのです。そのため、先にスピード系の刺激を入れてから距離走の方がお勧めです。
ただ、フルマラソンの場合はどうしても少し話が変わってきます。なぜならフルマラソンの場合は、そもそも距離走自体がメイン練習(=高強度な練習)になってくるからです。特に、レースに向けて体を仕上げていく特異期においては、スピード練習よりも距離走の方が重要度が高くなるケースが多いです。
そうなると前日にスピード練習を入れることで、距離走の質をあまり下げたくないケースも出てくるわけですね。そのため、フルマラソンに向けて仕上げていく場合は、水曜日にスピード練習、日曜日に距離走、みたいな感じの方が良いかもしれません。
バランスの良いトレーニングの組み方とは?
ここまで紹介してきました観点を盛り込んでいくと、自然にバランスの良い週間スケジュールや月間スケジュールを組みやすいでしょう。
実際に例として、私のある典型的な1週間の練習メニューを記載します。
(月)休養:6kmジョグ
(火)中強度:16km
(水)高強度:1km×10~12本
(木)休養:10kmジョグ
(金)低強度:16km
(土)中〜高強度:12km
(日)距離走:30~35km
こういったイメージです。
もちろんこれは基礎構築期なのか、特異期なのか、調整期なのかによっても話はかなり変わってきますが、先述の通り「なるべく高強度が連続しない」「なるべく異なる刺激を隣り合わせる」というポイントは常に意識することが大事になってきます。
ぜひ今回のお話が、トレーニングメニューの組み方で参考になれば幸いです。
そして最後に、基礎構築期からレースまで、どんな時期でもバランスよく自分にぴったりの練習計画を作れるようになりたいという方へご案内です。
現在、9月15日(月)までの期間限定で講義「自分にピッタリ合った練習計画=効率の良い練習計画の立て方講座」の受講生様を募集しております。
本講義は「コーチいらずで自分にとって最適な練習計画を作れるようになる」ためのもので、タイトル通り自分にとってピッタリで効率的な練習計画の立て方を超実戦的かつ具体的に5時間半にわたって解説した内容です。もしあなたが現在専属コーチがいなくて、でもプロコーチを雇ったのと変わらないくらい自分にぴったりな練習を組めるようになりたいと思われるなら、必ずこの先もお読みください。
この講義では基礎構築期、移行期、特異期、調整期それぞれで、週何回高強度なトレーニングを入れて、週何回中強度、そして週何回低強度にすべきなのか?また、それを5000mからフルマラソンまで、それぞれの種目においてどう考えるべきなのか?ということまで、かなり細かく解説されています。
最終的にここまで辿り着けたら良い、ということも解説されていますし、トレーニングの組み方そのものの考え方が身につくため、応用だって簡単にできます。
なお、講義者は弊社代表の池上秀志です。池上は大学時代、陸上部には所属せず、特に今のコーチがつく前、大学2年生までは完全にセルフコーチングでトレーニングをしていました。
そして、その時にハーフマラソンで63分9秒を出して、あの川内優輝さんに勝利してヤフーニュースのトップニュースになっています。
この時代、池上はプロランナーを目指していて、そのチャンスを掴み取るために生活全てをかけてトレーニングに励んでいました。
その時に数百冊の本を読み込み、自ら足を運んで箱根駅伝常連校の練習に参加して学んだり、単身ケニアに渡って世界のトップコーチやトップ選手から直接話を聞き、さらには最も多い時で月間1200kmを超える走り込みをして、自分の体を使って実験を繰り返し、最適なトレーニングの組み方とは何か?と研究を重ねました。
そうして編み出していった自分にとって最適な練習メニューの組み方が、今の彼の考え方のベースにあります。
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自分に一番合った練習計画を立てられるようになる教材は、間違いなくこの池上の講義動画だと。
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・そもそも効率の良い練習計画とはどのようなものなのか?漠然と気の赴くままに練習することと一体何が異なるのか?
・効率の良い練習計画を考える上で知っておくべき練習の4つの観点
・効率の良い練習の構成要素とその比率を決めるピーキングピラミッドとピーキングファネル
・狙ったレースにピークを合わせるトレーニングの期分けの話
・それぞれの期(基礎構築期、特別期、特異期、調整期、休養期)における練習の組み方(週間スケジュールの組み方)
・軽めの週(適応の週)の組み方
・故障した時の計画の修正の仕方
・自分に合った練習計画=効率の良い練習計画を遂行するための心理学
そして、、、
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それでは、自分にとってぴったりの練習計画を作れるようになり、長期にわたってタイムを伸ばし続けたい方は、必ずこちらの講義をご受講ください!
ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤哲也
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ですので、ウェルビーイングオンラインスクールの受講生様の方はご購入なさらないようにご注意くださいませ。なお、次回の募集でウェルビーイングオンラインスクールへ入ろうと考えていただいている方も、ご購入なさらないようにご注意ください。
よくある質問
質問:講義者は誰ですか?
回答:講義者はウェルビーイング株式会社代表取締役で、選手としては大阪マラソン日本人トップ、指導者としては過去3年間で10代から70代、様々なレベル数百人のアマチュアランナーさんの記録を劇的に伸ばしてきた実績を持つ池上秀志です。
質問:講義はどのような形で受講するのでしょうか?
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質問:ウェルビーイング株式会社とはどのような会社ですか?
回答:ウェルビーイング株式会社はオンラインにランナーの為の日本一の学び場を作り、無料コンテンツは月間数万人の方にご利用頂き、有料コンテンツは過去3年間でのべ5000人以上の方にご利用いただき、ロンドンオリンピック男子マラソン代表の藤原新さんを筆頭に「ここでしか学べない質の高い講義」との好評価を頂いております。ウェルビーイング株式会社のスタッフは大阪マラソン日本人トップの池上代表取締役をはじめとし、京都府高校駅伝で区間賞を獲得し、800mの滋賀県中学チャンピオンの佐藤煉君を育て上げた深澤哲也副社長、経理担当には1500mの千葉県チャンピオンでマネージャーとして名城大学女子駅伝部の二年連続全日本大学駅伝優勝を支えた早乙女晴香(現斎藤晴香)がいます。
質問:講義内で分からなかったところは池上に質問出来ますか?
回答:もちろんです!お申込み下さった方にはメールアドレスをお渡しいたしますので、疑問点はいつでもご質問ください。らんラボ!代表者の深澤へのご質問も大歓迎です。喜んで対応させていただきます。
P.S
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