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疲れにくく、故障しにくい走り方を身につけたい方に緊急案内!

 突然ですが、あなたは長距離走、マラソンにおける正しい走り方とは何かと聞かれて答えられるでしょうか?


 きっとあなたなりの答えがあるでしょう。皆に聞こえる声で言わなくても良いので、今ここでボソッと呟いて頂けませんか?


地面に大きな力を伝えること?


つま先接地にすること?


ミッドフット走法にすること?


脚を真上から真下に振り落とすこと?


短距離ランナーのような大きな動きをすること?


 実はこれらは全て間違いです。正しい走り方は一つしかありません。正しい走り方それは・・・


疲れにくい走り方です。

 

 ん?声が小さすぎて聞こえなかったですか?

 

 それではもう少し大きな声で申し上げましょう。

 

 疲れにくい走り方です。

 

 これには明確な理由があります。先ず第一に、長距離走、マラソンの記録はほぼほぼ代謝系で決まります。代謝系とはつまり、長時間にわたって大きな力を生み出す力のことです。

 

 車で言えば、エンジンに該当します。それが全てではないとは言え、その車がどのくらい速く走れるかは基本的にはエンジン性能によって決まり、それ以外ではあり得ません。

 

 ただ、人間と車の違いが二つあります。

 

 一つ目は、車はエンジンが大体一つ、多くても4つ程度しかないのに対し、人間の体にはこのエンジンに該当するものがおよそ10京程度あります。1京は1兆の1万倍です。もしかすると、初めて目にしたという方もいらっしゃるかもしれません。

 

 一度、都道府県の中で最も大きな数字が含まれているのはどこでしょう?というクイズを目にしたことがありますが、答えは弊社ウェルビーイング株式会社のある京都です。

 

 車におけるエンジンに該当するものはミトコンドリアという名前で呼ばれる器官です。もしくは単数形で言えば、ミトコンドリオンです。

 

 二つ目は、車は基本的には燃料が切れない限りは最大速度を維持することが出来るのに対し(曲線や障害物が無ければ)、人間の場合は短期的に出せる最大出力と長期的に出せる最大出力が異なることです。

 

 物凄く、分かりやすく言えば、人間はレースの距離が長くなればなるほどレースペースが遅くなるということです。

 

 車は燃料さえ切れず、コースが同じであれば、距離に関わらず同じ速度を維持できます。

 

 こういった違いはありますが、その車の基本性能はほぼほぼエンジン性能で決まるというのと同じで、人間の持久系競技における基本性能はミトコンドリア性能によって決まります。

 

 ですが、もう一つ忘れてはならないのはエネルギー効率です。生み出したエネルギーをどれだけ効率良く推進力へと変換できるかということです。これは同じ能力の人間が同じペースで走った時にどれだけ疲れにくいかであると理解して頂ければ良いと思います。

 

 この時に、練習して力がつくのは除外して下さい。力がついてしまうと、エンジン性能の方が良くなっている可能性が高いので、また別の要素になってしまいます。

 

 そうではなく、同じ私という人間が1㎞3分ペースで走る際に、どうやったら楽に走れるようになるかを考えるのが走技術であるということです。

 

 この時に重要なのは全力で走った時にどのくらい速く走れるかではなく、ペースは1㎞3分ペースに固定した上で、どれだけ楽に走れるかという話です。

 

 1㎞3分ペースがピンとこないのであれば、1㎞4分ペースで考えて頂いても1㎞5分ペースで考えて頂いても構いません。ある任意のペースで走った時にどれだけ楽に走れるかというのが長距離走における技術です。

 

 繰り返しになりますが、エンジン性能(ミトコンドリア性能)が同じ状態でという話です。練習をして力がつくと、今までは1㎞4分ペースが苦しかったのに、それが苦しくなくなるというのは当り前の話です。これは技術というよりはエンジン性能(ミトコンドリア)の向上によるものです。

 

 技術の向上とは基本性能が同じであるにも関わらず、1㎞4分ペースが楽に走れるようになることを指します。

 

 また、力の入れ具合が同じであることにも留意して下さい。1㎞4分ペースで楽に走れるけど、力を入れれば、つまりもっと頑張ったら速く走れる、これも当たり前の話です。これも技術の向上ではありません。技術の向上とは、同じ基本性能の人間が同じペースで走っているのに楽になるか、同じきつさ(=同じ楽さ)で走っているにも関わらず、ペースが速くなるのが技術の向上です。

 

 運動生理学ではこれをランニングエコノミーという概念を使って説明を試みます。ランニングエコノミーとはある任意のペースにおける酸素摂取量によって計測されます。酸素を摂取したということは、酸素を消費したということであろうと仮定されます。そして、酸素を消費するのは酸素を使ってエネルギーを生み出したからだと仮定します。

 

 つまり、酸素摂取量を図れば、あるペースで走った際のその人のおよそのエネルギー消費量を知ることが出来るのです。ランニングエコノミーが向上したとは同じペースで走っているにも関わらず、酸素摂取量が減少したこと、ランニングエコノミーが悪化したとは同じペースで走っているにも関わらず、酸素消費量が上昇したことを指します。

 

 厳密には、ランニングエコノミーと疲れにくい走り方は異なるのですが、ほぼ同じと考えても良いでしょう。日常的な言葉で言えば疲れにくい走り方、運動生理学上の用語で言えば、ランニングエコノミーの優れた走り方と言って良いでしょう。

 

 長距離走、マラソンにおける正しい走り方とはより疲れにくい走り方のことなのです。

 

 また、もう一つ実践的観点から重要なことは接地の衝撃が少ない走り方です。何故ならば、走力の向上には故障せずに良い練習を継続することが可能であるというのが必須の条件だからです。

 

 故障を避ける技術は走力の向上のみならず、走ることを楽しみ続ける上でも必須の技術となります。

 

 では、この技術とは具体的にはどのような技術なのでしょうか?

 

 それは歩きに近い走り方です。長距離走というのは短距離選手よりも遅く、歩きよりは速いのでその間になるのですが、どちらかと言えば歩きに近い走り方であるべきなのです。その方が疲れにくく、故障しにくいからです。

 

 ここでは短距離と歩きの違いを列挙してみましょう

 

短距離

・基本的につま先接地

 

・接地の瞬間に足(靴)は重心の真下にある

 

・基本は上下の動きを使う。従って、膝を高くあげる

 

・肘を曲げて肩から先端までの長さを短くし、なるべく速く振り、脚の動きを積極的にリードする。つまり、主従関係で言えば、腕が主で脚が従

 

歩き

・基本的に踵接地

 

・接地の瞬間に足(靴)は重心よりも前にある

 

・基本は前後の動きを使う。従って、入場行進でもない限り膝はほとんど上げない

 

・入場行進でもない限りは下半身の動きに従って自然とわずかに動く程度であり、腕振りで脚の動きをリードすることはない。つまり、主従関係で言えば、脚が主で腕が従

 

 このような違いがある中で、長距離走は歩きに近い走り方が望ましいので、基本は歩きと同じです。ですが、歩きと違う点が二つあります。それが下記の二点です。

 

・長距離走では両足が空中に浮く局面があるのに対し、歩きではそれがない。換言すれば、歩きは両足が地面につく局面があるのに対し、走りは片足だけ地面についているか、両足共に空中に浮いているかのいずれかである。

 

・長距離走は歩きよりもピッチが速いので、基本的に肘は曲げられ、肩から先端までの長さを短くする必要がある。従って、肘関節はやや曲げられ、だらりと伸ばした状態にはならない。ただし、脚が主であり、腕は従であるという関係性に変わりはなく、腕振りはバランスとタイミングを取るためにのみ用いられる。

 

 ですから、上記の二点に関しては、歩きとは明確に変えつつも、その他の点については歩きの要素を取り入れていくのが良いのです。

 

 では、更に具体的にはどのような手法を用いるのかということですが、歩きジョグという練習を取り入れます。これは我が母校洛南高校で取り入れていた手法です。先ずは腕をだらりと垂らした状態で普通に歩く、次に肘を曲げて歩く、次に速歩へと移行する、そこから徐々にペースを上げていって走りへと持っていくということを繰り返しながら、歩きに近い走りの感覚を掴むのです。

 

 我々は三年間この練習を走る前に5分から10分ほど必ず繰り返しました。

 

 どんな走り方を身につけるにせよ、神経回路は一夕一朝で変わるものではありません。ですから、この歩きジョグを反復して頂きたいのですが、歩きジョグを反復するにしても先ずは正しい歩きジョグの動きを覚えてもらわなければなりません。

 

 ただし、技術を文章だけで教えるということに限界があります。そんな訳で、9月にこの歩きジョグをお伝えさせて頂く講習会を京都と名古屋にてさせて頂きます。日程は以下の通りです。

 

9月20日土曜日午後4時より2時間半程度 於名城公園

9月27日土曜日午後4時より2時間半程度 於西京極総合運動公園

 

 具体的な内容は冒頭でウォーミングアップも兼ねて、カリスマインストラクターSyokoのダンスエクササイズを10分ほど行います。こちらはジュニアオリンピックチャンピオンも輩出した滋賀県の練習会の初めに実施していた体ほぐしの運動です。リズム感を養うにもちょうど良く、楽しくやれて心も体もほぐれるのでこれを導入で実施します。

 

 この後、歩きジョグの講習を1時間ほど行います。そして、最後に身につけた走り方で10㎞ほど名城公園もしくは西京極総合運動公園の外周を各自のペースで走って頂きます。西京極総合公園は一周が1.25㎞なので8周、名城公園は一周が1.3㎞なので約8周して帰ってきてください。

 

 この間、私も皆様の走りを見ながら気づいたことはお伝えさせて頂きたいと思います。

 

 最近は練習会と言えば、ペースメーカーをつけて皆で同じペースで走って、皆で追い込む、頑張るという練習会が多いので、各自のペースで走ると言われても、物足りない感じがされるかもしれません。

 

 ですが、今回の練習会の目的は追い込むことではなく、技術の習得です。一度無意識レベルで出来るようになると、追い込んで走っても大丈夫になるのですが、そこに到達する前に意識して出来るというレベルがあります。このレベルでは、追い込んでしまうと自分自身の走りに意識を向けることが難しいので、今回の練習会では自分のペースで、楽に走れるペースで技術の感覚を確かめながら走るようにしてください。

 

 ゆっくりと走り始めて、自分で歩きジョグの感覚を走りへと繋げられていると判断したら、そのままペースをあげて頂いても構いません。

 

 以上の目的を理解された上で、それでも自分は追い込みたい、せっかくお金を払って参加しているのだから、自分は追い込んで走りたい、お金を払っているのに各自のペースで走れなんてありえないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

 その際は事前にその旨をお申しつけ頂けましたら、私が怒声や体罰を使いながらしっかりと限界まで追い込めるように手助けさせて頂きます。やるなら徹底的に手助けさせて頂きますので、ご遠慮なくお申し付けください。追加料金は頂きません。

 

 参加費は通常コースの方も怒声と体罰ありの特別コースの方も一律おひとり様2000円とさせて頂きます。キャンセル料は無料でお支払い方法はクレジットカード、もしくは現地での現金払いをご利用頂けます。

 

 今回スタッフとしましては、Syokoの他に滋賀県チャンピオンを3年間で3人育て上げ、ジュニアオリンピックの優勝者も育て上げ、自身もマラソン2時間29分の記録を持つ弊社副社長の深澤哲也をご用意しております。

 

 更に、スペシャルゲストとして先日の無料ブログ記事ハーフマラソン1時間21分で走った陸上経験無しの女性市民ランナーさんに直撃インタビュー!で紹介させて頂きましたモア・シュタールベルグさんがお越しくださいます。

 

 是非皆さま「四方(よも)の海 皆同胞(はらから)と 思う心」にてお出迎えのほど宜しくお願い致します。

 

 最後に、念のために私の実績も簡単に紹介させて下さい。別に徒に我を誇りたい訳ではないのです。

 

 ただ「偉そうなこと言ってるけれど、お前はいかほどのものなのか?お前は結果を出しているのか」というお声もあるかと思います。私の実績が充分足るものか否かは皆様の判断にお任せさせて頂くとしまして、客観的に書かせて頂きます。

 

 先ず、今回紹介させて頂く歩きジョグはどちらかと言えば、ロードレースに適した技術習得のための動きづくりとなります。

 

 何故かと言いますと、中距離走となるとレースペースが速いので、もう少し短距離的な要素が欲しいからです。

 

 一方で、距離が長くなるとレースペースが比較的遅いというのと、疲れにくいことにより重きが置かれるべきなので、歩きに近い動きになるべきだからです。

 

 繰り返しになりますが、歩きジョグは私が高校で教わり、その後大学でも継続したものです。

 

 高校三年間は京都府高校駅伝では三年連続区間賞、チームも優勝して全国高校駅伝へと駒を進め、三年連続出場、都道府県対抗男子駅伝の京都府代表を含め4度の全国駅伝で通算20人抜き、浜名湖駅伝区間新記録での区間賞、京都市町村対抗駅伝区間新記録での区間賞、亀岡市民駅伝区間新記録での区間賞を獲得しております。

 

 その後、大学に入学しての関西インカレではハーフマラソン優勝、再度の京都市町村対抗駅伝で区間新記録での区間賞、大学二年時には関西大学歴代4位に該当するハーフマラソン63分09秒を記録、まだ厚底シューズ誕生以前の話です。

 

 深澤哲也も高校三年時には京都府高校駅伝区間賞、鬼太郎カップ駅伝でも区間賞を獲得しています。

 

 では、具体的にはどのくらいのレベル感の方が対象なのかということですが、目標とするレースペースが1㎞3分ペースよりも遅い方は全員対象となり、それよりもレースペースが遅ければ遅い程対象者ということになります。理由は単純で、目標とするレースペースペースが遅くなればなるほど走行速度が遅くなるため、歩きに近い動きにした方が疲れにくく、故障しにくいからです。

 

 逆に、目標とするレースペースが2分50秒以下になってくると、もう少し短距離的な要素も取り入れなければならなくなってくるので、今回お伝えさせて頂く走技術と短距離のさらに中間くらいの技術が必要になってくるでしょう。今回は対象外とさせて頂きます。

 

 最後に、改めての確認ですが参加費は2000円です。キャンセル料は無料で定員は50名です。ご参加いただければ、この先2年でも3年でも使えて疲れにくく、故障しにくい走り方が身につく動きづくりを伝授させて頂きますので、是非下記のリンクをクリックしてお申込み下さい。



 
 
 

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ランニング書籍

講師紹介
​ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

​ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也

IMG_5423.JPG

経歴

中学 京都市立音羽中学校

高校 洛南高校

↓(競技引退)

大学 立命館大学(陸上はせず)

​↓

大学卒業後

一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。

2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。

感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。

現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、教え子は2年生で滋賀県の中学チャンピオンとなり、3年生では800mで全国大会にも出場。

 

実績

京都府高校駅伝区間賞

全日本琵琶湖クロカン8位入賞

高槻シティハーフマラソン

5kmの部優勝 など

~自己ベスト~

3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)

​マラソン 2:29:44(2024)

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