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ランニングフォームの改善によって、どれくらい速くなれるのか?

 突然ですがあなたは、ランニングフォーム改善によってどれくらい速くなれると思いますか?


 もし自分がTVで映るようなトップランナーのような走り方になれたら、きっと今よりも大幅にタイムが伸びるんだろうなと思いを馳せたことはないでしょうか?


 もちろん、私もあります。ランナーなら誰しも一度はそんな思いを馳せますよね。


 しかしながら、実はランニングフォームの改善で縮まるタイムは、意外に微々たるものなんです。もちろん走歴や元々のフォーム次第ではありますが、ある程度走っている方であれば、5kmならせいぜい5〜10秒前後、フルマラソンなら2~3分前後です。


 「いやいや、流石にもうちょっと速くなるだろう」と思われるかもしれません


 しかし、そんなものなのです。それにはちゃんと理由があります。それは、ランニングフォームの改善というのは、根本的な走力向上とは異なるからです


 そもそもランニングフォームというのは、私たち人間が「走る」という動作をした結果に過ぎません。「走る」という行為は、物理学的に言えば「体重を移動させること」です


 例えば、体重60kgの人がフルマラソンを走るという行為は、言い換えると「60kgの物体を42km運ぶのにどれくらいの時間がかかるのか?」ということです。


 もっというと、60kgの物体を42km運ぶのに必要なエネルギーを、どれくらいの速さで生み出せるのか?を競うのがマラソンなんです。


 これを数式に表すと「60kg×42km=2520kcal」、つまり体重60kgの人がフルマラソンを走り切るには2520kcal必要になるということです。この2520kcalというエネルギー量を、3時間以内で作れる人はサブ3、4時間以内で作れる人はサブ4、ということになるわけです。ということは、いかに速くこのエネルギーを生み出す力があるかどうか、ということこそが、マラソンを速く走るために重要なことだとお分かりいただけると思います。


 そして、ここからが重要なのですが、ランニングフォームの改善というのはこのエネルギーを作り出すこととは関係ありません。


 エネルギーを生み出すのはあくまで、体内で行われる「代謝系」の働きによるものです。つまり、代謝が「エンジン」であり、家庭生活に例えると「収入を稼ぐ力」です。そしてランニングフォームの改善というのは、あくまで代謝というエンジンで生み出したエネルギーを無駄遣いしないようにするための要素であり、家庭生活に例える「節約力」です。


 つまり、ランニングフォームを改善することによって、自分が生み出せるエネルギー分通りの力をしっかり発揮できるようにはなりますが、それ以上の走りができるようにはなりません。いくら節約がうまくても、稼ぎ以上のお金は使えませんよね?この例なら誰しもがわかることなのですが、ランニングではこれと同じことをやってしまっている方が多いです。


 これが、ランニングフォームが変わることは、根本的な走力向上とは違うということの理由です。この辺りのことも考慮すると、5000mだと5秒から大きく伸びて10秒、フルマラソンなら2~3分程度の伸びが良いところだということです。


 もちろん、走歴が浅くてランニングフォームの問題が大きく、走り方が悪いからエネルギーの浪費が大きい人や、脚がもたなくなっている人についてはもう少し伸びる可能性はありますが、それでもせいぜい5000mなら20秒程度、フルマラソンでも5分程度です。3時間30分だった人がサブ3になるようなことは、ランニングフォーム改善では無理です。


 ここまでお読みいただくことで、おそらく本当に大事なのは根本的な走力向上だということにお気づきの方も多いと思います。


 では根本的な走力向上のためには何をしたら良いのか?これは先に出てきました通り、代謝系の機能を改善することや、筋持久力を向上させることが挙げられます。その中でも特に代謝系の改善は重要です。なぜなら代謝機能こそが我々ランナーにとっての「エンジン」であり、エンジンが強くなれば当然速く走り続けられるようになるからです。


 では代謝系を高めるためには何をすれば良いのか?答えは単純で、継続的な有酸素トレーニングです。


 ただ、トレーニングと一言で言っても、ここが非常に奥が深くて難しいところなのです。なぜならトレーニングを考えるうえで何よりも重要なのが「組み合わせ」であり、これさえやったら速くなれるみたいな「必殺技」のような練習はないからです。


 インターバル走、ペース走、距離走、登坂走、ジョギング、などなど、、


 こういったトレーニングを、いかに巧みに組み合わせてやっていくか、ということが全てです。


 ここで注意しなければならないのは、このようなトレーニングをとりあえずランダムに組んでおけば良いというわけではない、ということです。持久面を鍛える練習と、スピード面を鍛える練習をどの割合でどの順番で持ってくるのか、そしてスピードと持久を融合するスピード持久練習をいつどれくらい実施するのか?といったようなことを緻密に組み合わせる必要があります。


 加えて「時間軸」も極めて重要になります。例えば、あなたが今目標にしているレースまであとどれくらい時間があるのか?ということだけでも、組み合わせ方はかなり変わってきます。レースの3ヶ月前と、1ヶ月前と、1週間前では、当然組み合わせ方も、その量も質も全てが違うのです。


 さらに「トレーニングは量か質か」という問題もありますが、これもどこかのラインでスパッと簡単に分けられるものではありません。結局これもレースから逆算して、時期に合わせて考えていく必要があります。


 また、トレーニング自体はうまくできたと思っても、体がその刺激や負荷を受け入れられないこともあります。その状態で無理やりトレーニングを続けると、故障したり、疲労が溜まりすぎて全然走れなくなることもあるため、様子を見ながら調整する必要もあります。


 また、この「トレーニング」という要素だけでも、これだけ考えるべきことがあるのに加え、さらにあと二つの要素として、トレーニング刺激に対して体を十分に適応させるための「リカバリー」、心と体は連動しており、積み上げている努力を100%発揮するための「マインドセット」も合わせて考える必要があり、それらが揃ってこそ長距離走・マラソンで効率的に速くなることができるのです。


 ではこれらの要素はどこで学ぶのか?ということですが、正直なところ、このような本質的な要素について解説している動画や書籍はほとんど見かけません。どちらかというとパッとみて分かりやすい情報が多く広まります。その一つが「走り方」に関する情報であり、そういった情報が多いからこそ、走り方の改善をすると速くなるような気がしてくるのです。


 例に漏れず、かつて私も市民ランナーとして走り始めた当初は、走り方の改善に躍起になったことがありました。しかし、それで速くなることはほとんどありませんでした。


 また、トレーニングについては陸上競技の名門校・洛南高校で昔やっていた練習をただなんとなくレベルダウンさせて適当に組み合わせてみたのですが、中々速くならないどころか自分のキャパを超えたトレーニングとなり、ちょっと走ったら足が痛くなり、、ということを繰り返していました。


 ですが、上記で紹介した適切なトレーニングの原理原則と、トレーニング効果を最大にするリカバリーとマインドセットを学んでからは、私の走力は劇的に変わっていきました。実際、私のベストタイムは市民ランナーとして走り始めた5年前と比べてびっくりするくらい変わりました。


(5年前)

・5km→18分40秒

・10km→40分ちょっと

・ハーフマラソン→1時間28分25秒


 ↓↓


(現在) 

・5km→15分25秒

・10km→32分24秒

・ハーフマラソン→1時間08分21秒

・マラソン→2時間29分44秒


 もちろん、ここまで記録が伸びる過程で取り組んだことは一つや二つじゃありません。何冊も本を買って読んで、YouTubeでも動画を見まくったり、いくつかの練習会に参加してみたりもしました。


 その中で一つだけ言えるのは、ある本に出会ったことが私のランニング人生を変えたということです。その本が、かつて大阪マラソン日本人トップで走ったプロランナーが書いた「詳説長距離走・マラソンが速くなるためのたった3つのポイント」です。


 本書は上記で紹介した「トレーニング」はもちろん、「リカバリー」「マインドセット」全ての基本原則について解説した本で、まさに長距離走・マラソンが速くなりたい全ての市民ランナーの為に書かれたもの。


 この本の著者である池上秀志は、プロランナーとして自分の脚で稼ぎ生計を立てるべく、世界の一流指導者、一流選手の元に直接行って指導を仰ぐため、ケニア、ニュージーランド、ドイツ、オーストリアなど海外を単身で飛び回ってマラソンが速くなる真理を追求しました。


 さらに洋書・和書問わず数百冊の本を読み込み、膨大な知識を身につけました。その結果として、彼は走り方ではなく「トレーニング」「リカバリー」「マインドセット」の3要素こそが、長距離走・マラソンで速くなるために必要な本質であると気づきました。なので本書では「走り方」に関する記述はありません。ですが私は、これは書店にあるどの本よりも本質を突いた本だと確信しています。


 またこちらの書籍は、入門書としての側面もあり、迷ったときにはいつでも見返せるようにデザインされています。かつて3年前の私がこの本に出会っていたことで、今ランナーとして全然違う景色が見えているのは一つの事実。間違いなく本書が、今の走力まで辿り着く近道の入り口だったと思います。


 本書は本来は1000円で販売しています。ですが、この記事をお読みいただいたあなたにもぜひ、ランナーとして見える景色が変わるこの感覚を味わっていただきたい、成功を応援したいという想いから、現在メルマガ登録で無料でデータをプレゼントさせていただいています。ランナーの方であれば、お手元にあって損はない一冊です。ぜひ、下記より受け取っていただけませんか?



 あなたの成功を、心から願っています。


ウェルビーイング株式会社副社長 らんラボ!代表

深澤哲也

 
 
 

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コメント


ランニング書籍

講師紹介
​ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

​ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也

IMG_5423.JPG

経歴

中学 京都市立音羽中学校

高校 洛南高校

↓(競技引退)

大学 立命館大学(陸上はせず)

​↓

大学卒業後

一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。

2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。

感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。

現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、教え子は2年生で滋賀県の中学チャンピオンとなり、3年生では800mで全国大会にも出場。

 

実績

京都府高校駅伝区間賞

全日本琵琶湖クロカン8位入賞

高槻シティハーフマラソン

5kmの部優勝 など

~自己ベスト~

3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)

​マラソン 2:29:44(2024)

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