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距離走でレースペースを追い求めなくても大丈夫な理由

 マラソンシーズンが近づいてきた9月から10月にかけてのこの時期、多くのランナーさんの心配事の一つが「距離走」ではないでしょうか?


 特に、少し前までは夏の暑さが厳しく、中々一回で長く走り続けることができなかったり、距離走ができたとしてもペースが上がらないということもあるでしょう。


 シーズンに入ってレースになったら、マラソンサブ3.5したいのに、現状1km5分40秒ペースで30kmしか走れていない・・レースでは1km5分を切って42km走らないといけないのに、こんなんで本当に大丈夫なの!?


 そんな不安を抱えている方も多いことでしょう。


 ですが、あえて言います。結論、大丈夫です。


 むしろ、練習の時点でレースペースでの距離走ができている必要はありません。実際、トップランナーの方でさえ、レースペースで距離走をやる人はほぼいないです。2時間30分を切った程度のレベルの私でさえ、練習の時点では調子が良くてもレースペースよりも1kmあたり15秒は遅いです。それでも実際、大丈夫なんです。


 「え?でも本番でやろうとしていることよりも全然レベルが低いことしかできていないから不安ですよ・・」


 そう思われるお気持ちはとてもよくわかります。ですので今日は、練習の距離走の時点でレースペースを追い求めなくても大丈夫な理由について、あなたにご安心いただけるようお話ししていきます。


距離走でレースペースを追い求めなくても大丈夫な理由

 結論これは、距離走はあくまで「長く走ることに対しての慣れを作る」ものだから、というのが理由になります。


 要するに、距離走というのはそもそも「レースペースに対して体を慣らす」とか、「レースペースに対して余裕度を作る」ということを狙ってやるものではなくて、あくまで長く走り続けることに対して耐えられる体を作ることが目的なのです。


 特にフルマラソンの場合、最もネックになってくるのは「筋持久力」と「代謝能力」の2点です。まず筋持久力ですが、これは早い話が接地の衝撃に耐え続ける力のことです。この力が弱いと、レース後半で脚が動かなくなって歩いてしまったり、脚が攣ってしまったりします。


 そして、もう一つの代謝能力についてですが、これはマラソン後半になってもペースダウンしないための能力です。


 あなたもこんな経験はありませんか?フルマラソンで35kmを過ぎてから、呼吸は苦しくないのに、もうなんとも言えないような空腹感のような、力が抜けて体が動かないみたいなあの状況を。


 あれは早い話が体がエネルギー切れを起こしている状態です。私たちの体は常に酸素とグリコーゲン、もしくは酸素と脂肪酸を使ってエネルギーを生み出し続けています。これを代謝と言います。


 マラソンを走っていると、安静時よりもちろん多くのエネルギー需要が発生するため、よりたくさんの酸素とグリコーゲン、脂肪酸を消費してたくさんのエネルギーを作ります。その時ネックになるのが、グリコーゲンです。人間の体は、フルマラソンを一本走り切れるだけのグリコーゲンを貯蔵することができないのです。


 つまり、エネルギーを生み出す原料をグリコーゲンに頼っていると、遅かれ早かれどこかでエネルギー切れを起こします。そうならないようにするために、脂肪も効率的に使いながらエネルギーを生み出せるようにしておく必要があります。


 そこで、この代謝と筋持久力という二つの要素両方とも鍛えることができる最も良い練習として、距離走があるのです。つまりこの距離走では、長い時間接地の衝撃に耐え続けること、そしてそれなりにエネルギー需要が生まれるくらいの強度で行えていれば問題ないのです。それは、レースペースよりも遅くても問題ないというわけです。


 具体的には、レースペースの90%くらいで行えていれば十分です。例えばマラソンサブ3の方なら、4’15”/kmの90%は4’40”/kmです。サブ3.5の方なら、4’58”/kmの90%で5’27”/km、サブ4の方なら、5’40”/kmの90%で6’14”/kmくらいで距離走ができていれば、負荷としては足りていると考えて良いでしょう。


 でも、おそらくこれを見てもあなたは「そんなレースペースよりも遅いペースでしか走っていなくて、本当に大丈夫なのか?」と不安を抱かれるかもしれません。


 確かに、このペースの練習だけでは難しいでしょう。だからこそ、組み合わせが大事になるのです。距離走ではペースを追わない代わりに、レースペースに対して体を慣らすとか、余裕を作るという役割の練習は、他から持ってきたら良いのです。


 つまりそれがスピード練習やテンポランと言った練習です。例えばインターバルトレーニングでレースペースよりも速いペースで走ることに対して体を慣らしておいたり、15km~20km程度をマラソンペースで走ることで、レースペースに対して体を慣らしておけば良いのです。


 おそらく距離走でレースペースを追い求めてしまっている人は、距離走という練習の中で「距離に対する慣れ」の他に、「ペースに対する慣れ」というものも同時に作ろうとしているのだと思います。ですが、一個の練習で得られる練習効果というのは、そう多くありません。なぜなら人間の体は、一つの刺激に対して適応できる度合いに限界があるからです。


 なので、一つの練習にあれこれ色々と求めるのではなくて、距離走は距離走、スピード練習はスピード練習と、役割分担をして組み合わせることで、距離走で無理にペースを追い求める必要は無くなってくるというわけです。そしてこれが、トップランナーの方々が距離走でレースペースで走っていなくても、レースになれば目標のペースできちんと走れている理由なのです。


 いかがでしょうか?距離走のペースが上がらなくて焦っている方も少なくなかったのではないかと思いますが、この記事を見て少しでも焦りの心が落ち着いて、適切なトレーニングを積んで来たるマラソンシーズンでより良い成果を残せることを、心から応援しております。


 そして、最後にこのマラソンシーズンで絶対にベストタイムを更新したいと考えている方にお知らせです。


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 実はその半年間、私はメルマガで毎週欠かさず「毎週のトレーニング振り返り解説」という企画を続けていました。2023年の8月、大阪マラソンに向けた半年間の準備が始まったその日から、大阪マラソンで2時間32分で走るまでの過程で起きた心理的、また身体的な変化であったり、壁に感じていたこと、そしてそれらをどう乗り越えたのか?ということを、毎週毎週欠かさずに振り返り、そして読者の方へ届けていました。


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ウェルビーイング株式会社副社長

らんラボ!代表

深澤哲也


 



 
 
 

コメント


ランニング書籍

講師紹介
​ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

​ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也

IMG_5423.JPG

経歴

中学 京都市立音羽中学校

高校 洛南高校

↓(競技引退)

大学 立命館大学(陸上はせず)

​↓

大学卒業後

一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。

2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。

感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。

現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、教え子は2年生で滋賀県の中学チャンピオンとなり、3年生では800mで全国大会にも出場。

 

実績

京都府高校駅伝区間賞

全日本琵琶湖クロカン8位入賞

高槻シティハーフマラソン

5kmの部優勝 など

~自己ベスト~

3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)

​マラソン 2:29:44(2024)

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