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走った距離に裏切られないために理解すべき3つの法則

更新日:2月10日


 あなたは、長距離走やマラソンは走ったら走った分、強くなれると思いますか?


 今よりも仕事が落ち着いたら、、もう少し子育てが落ち着いたら、、いっぱい走って走って強くなれるはず・・!そのように思ったことはありませんか?


 でも、残念なお知らせがあります。実は、、


走った距離は、案外簡単に私たちランナーを裏切ってきます。


 もしあなたが、長距離走やマラソンは苦しさに耐えれば強くなるという単純な競技だと思っていたり、いっぱい走りさえすれば速くなると思うなら、この言葉は意外かもしれません。


 確かに長距離走やマラソンは単純です。走るだけですから。でも、実際は複合的に物事を考えながら練習を積む必要があり、やり方を間違えれば走った距離は案外簡単に私たちランナーを裏切るもの。


 確かに、ある程度のレベルまではただ走る頻度を増やして、走行距離を増やすだけでも強くなれます。練習量が正義であること自体は間違いありません。でも、せっかく頑張って週3回のランニングを週5回にして、月間走行距離も150kmから300kmまで延ばしたのに、やり方がまずかったためにレースの1週間前に足を痛めてしまってスタートラインにも立てない、なんてことになる可能性もあります。練習量は大事です。ですが、何も考えずにただ走り込みまくるのは効率が良いものでないのも確かです。


 実は私もこれまで何度も、走った距離には裏切られました。10年以上前、京都の駅伝強豪校である洛南高校の2年生だった頃の話です。5000mで15分04秒を出した1年生の時よりも明らかにたくさん走って練習量も増えているのに、5000mのレースに出ると16分40秒もかかったのです。その上故障もして、スタートラインに立てず、一年前は勝っていたライバルが自分の自己ベストを軒並み抜かしていく様を拳を握りしめながら眺めていた時ほど虚しいことはありませんでした。


 これは強くなりたい、速くなりたいと思うが故に、ただがむしゃらに練習量を増やし、質を上げて追い込みまくった結果です。文字通り私は、走った距離に裏切られたのです。


 しかしあれから10年経った今、市民ランナーとして走っている私は決してあの頃と同じ過ちはしていません。今は当時よりも練習量は増えていますし、練習の質も上がっていると言えます。でも、高校時代のように故障をしたり、練習するほど遅くなったりする、なんてことにはなっておらず、年は重ねていますが年々体は強くなり、速くなっています。


 それは高校時代は体ができていなかったからで、今は大人になって体が出来上がったからじゃないのか?と思われるかもしれません。確かにそういう面はあります。ですが、高校卒業後私は一度走ることをやめ、8年以上全く運動もしていませんでした。喫煙していた時期もありましたし、もうランナーに戻ることなんてないと思っていました。


 ですが、あれから8年越しに走り始め、さらに走り始めてから2年経った今では、洛南高校にいた時の自分を超えています。それも、特に大きな故障や不調には陥ることもなく、高校時代ほどシリアスに自分を追い込むこともなく・・


 どうせ頑張るなら、努力に見合った結果が欲しいと思うのは当然でしょう。私もそれを追求してトレーニングをした結果、今は楽しくて仕方がないという感情をランニングに持ちながらも、順調に年々走力を高めています。


 むしろ、もし私が市民ランナーに復帰してから、またがむしゃらに走り込みまくっていたら、走った距離に裏切られていたでしょう。あなたもそんなことにはなりたくないはずです。では、そうならないためにはどうすればいいのでしょうか?


 実は、トレーニング効果を十分に享受して、順調に走力を高めていくためには三つの法則を知っておく必要があります。その法則とは、、


  1. 収穫逓減(ていげん)の法則

  2. 収穫逓増(ていぞう)の法則

  3. 適応の法則


 この三つが挙げられます。一見難しそうに思われるかもしれませんが、安心してください。それを簡単に解説するために、この記事を執筆しているのですから。かつての私と同じようなあの辛い思いをするランナーさんが一人でも減って欲しいから、こうして記事にして書き起こすことにしたのです。


 これらの法則を知っているか否かによって、日々のトレーニングへの取り組み方は正直全く変わってくると言ってもいいと思います。それぞれの法則を簡単に解説していきますので、ぜひ日々のトレーニングにお役立ていただけると嬉しいです。


1、収穫逓減の法則

 経済学に詳しい方ならこの言葉、ピンとくるでしょう。収穫逓減の法則とは、投資(労働人員、労働時間、その仕事に必要な備品)を増やせば増やすほど収益は増える代わりに、単位投資あたりの売上は減ってしまうという法則です。


 例えば、労働時間に例えてみましょう。週に10時間しか働いていない人が、週に40時間働くようになったら売上は変わるでしょうか?おそらく大きく変わるでしょう。では週に40時間の人が週に60時間にしたらどうでしょうか?ある程度変わるでしょうけれど、10時間から40時間ほどの売り上げの増加は見られないでしょう。では、60時間の人が80時間にしたらどうか?この辺まで来るとあまり労働時間による有意な変化は見られないのではないかと思います。


 これをトレーニングに当てはめてみましょう。例えば週に40kmしか走っていない人が週に100km走るようになれば、これは物凄い成長につながるでしょう。週2日しか走っていない人が週7日になるのも同様です。


 では、週200km走っている人が週250kmに増やしたらどうか?週10回走っている人が週14回にしたらどうか?おそらく最初の例えほどは変化がないでしょう。


 つまり、トレーニングはある程度のレベルまでは増やせば増やすほど走力が如実に高くなっていくけれど、一定のレベルを超えると単位負荷あたりのトレーニング効果は徐々に下がってくるということです。要するにある程度のところを越えると、ちょっと加えたからといって変わらないということです。


 また、これは量の話に限りません。トレーニングの種類についても同様です。例えば、現状インターバルトレーニングを全くやっていない人が、週に一回だけでも200m×10本を入れたり、1000m×5本を入れたら大きく変わるでしょう。しかし、既に週に2回インターバルをやっている人がそれを3回にしたらどうか?おそらく変わらないばかりか、むしろマイナス面が勝ってくるでしょう。やっているかいないかが一番大きな差になるのですが、ある程度やっているなら、そこからは大きくは変わらないのです。


 ちなみに、現在トレーニングのパターンが単調な方も要注意です。というのも、たとえ週7回走っているとしても、毎日10kmをのんびり走る、というやり方をやっているなら、結構すぐ効果は頭打ちになるでしょう。トレーニングの刺激の種類がワンパターンしかないからです。この場合、毎日10km走っているので月間300km走っていることになりますが、その割には成長があまりみられない、ということになる可能性が高くなります。収穫逓減の法則にはこういうパターンもあるということを知っておいてください。


2、収穫逓増の法則

 これは経済学で出てくる言葉ではないですが、いわば一つ目の収穫逓減の法則の「逆」ですね。やればやるほどリスクが増大する、ということです。


 一つ目の収穫逓減の法則で出した例えをもう一度見てみましょう。例えば週に80時間働いている人が100時間になったらどうなるか?これは売上が上がるどころか、集中力の低下を招いて生産性が下がってくるばかりか、過労による弊害のリスクが増大していることでしょう。


 トレーニングの例でも見てみましょう。週間150kmの人が250kmにしたらどうなるか?インターバルを週2回やっている人が週3回にしたらどうなるか?トレーニング効果が上がるというよりは、きっと故障やオーバートレーニングのリスクが増大するばかりでしょう。それも、あるポイントを越えると、トレーニングを増やせば増やすほど指数関数的に故障やオーバートレーニングのリスクが増大していくということになります。


 これが、走った距離に裏切られるということです。あるポイントまでは走れば走るほど強くなっていきますが、そこを越えると走れば走るほどトレーニング効果は無くなっていく代わりに、リスクばかりが増えていくということになるんです。


 ここまでを聞いて「じゃあ程々に練習を継続しておけばいいってことだな」と思うかもしれませんが、残念ながら話はそう単純ではないんです。


 これまでの説明で、「あるポイントまでは」という言葉を私が使っていたのに気づきましたか?この「あるポイント」とは、人によって違うんです。ある人は月間100kmかもしれないし、ある人は月間200kmかもしれない。そう、人によって体のキャパが違うという問題があるのです。ここが長距離走やマラソンのトレーニングで一番大きなミソなんです。


 そもそも、トレーニングとはやって強くなるものではなく、トレーニングの負荷に体が“適応”できて初めて強くなるものです。段階的にトレーニングレベルを上げていって、体をその負荷に適応させていくことで、受け入れられるトレーニングのレベルを高めていくことで、いわゆる「あるポイント」がより高いレベルになるんです。これが三つ目の適応の法則です。


3、適応の法則

 そもそも、適応ってなんでしょうか?トレーニングの負荷に対して適応するというのは、どういう状態を言うのでしょうか?


 例えば、私が市民ランナーになりたての頃は、1km5分ペースで5km走ること自体がしんどかったです。脚は重いし、呼吸は苦しいしで大変でした。ですが、これを繰り返していくうちに、段々と1km5分ペースで5km走ることが楽になってきます。このように同じ感覚で同じ練習をしたときに、余裕度が上がっていくことを「その練習に適応した」と言えるわけです。


 おそらくあなたも感覚的にわかると思いますが、一年前にはできなかった練習が今は普通にできるようになっている、ということはよくあると思います。それはその練習の刺激に対して体が適応できたという証です。そのようにしてできる練習のレベルを徐々に上げていくと言うことが、長距離走・マラソンにおけるミソなのです。


 ただ難しいのが、この段階は結構細かく踏んでいく必要があるということです。一段飛ばしにできることもあるでしょう。ですが、一段飛ばしにトレーニングレベルを上げて「やれた」としても、その練習に「適応できた」かどうかはまた別の話なんです。


 なぜなら、自分のキャパを超えた練習をすると、体がトレーニングの刺激に対して「不適応」を起こすからです。簡単に言うと、やった練習の効果があまり得られていない、と言う状態です。食事に例えるなら、せっかく栄養のあるものを食べたのに消化・吸収がうまくいかず、戻したり下痢したりしている状態です。


 実際体がどれくらいのレベルなら適応できるかな?というのはやってみなければわかりません。だからこそ細かく段階を踏んでいく必要があるんです。その時にトレーニングの負荷や総量を見誤らないようにするために、先述した収穫逓減の法則、収穫逓増の法則の考え方をわかっている必要があるんです。これらは別に厳格にわかっていなくても大丈夫です。なんとなくの肌感覚としてでも、持っておくだけで全然違うでしょう。



実際に自分のトレーニングにどう当てはめたらいいのか?

 ここまで三つの法則について順番に解説してきましたが、実際に自分のトレーニングにどのように当てはめて考えていったらいいのか?がまだイメージがつかないかもしれません。


 正直これは自分の体で色々試しながらやっていかなければ、最終的には何が最適なのかはわかりません。私もこれまで何回トレーニングを組んで、失敗して、また組み直して別のやり方を試して・・という試行錯誤を繰り返したかわかりません。


 ですが、それを繰り返していく中で、確実に自分の中で掴める感覚があります。一度感覚として掴むことができれば、何度でも再現することができます。何より、今日お伝えした三つの法則をちゃんと押さえていれば、大崩れするリスクはかなり減るかと思います。


 実際、かつて洛南高校で陸上競技をやっていた頃は、正直ここまで自分の頭で考えられていませんでした。その結果、冒頭でお話ししたように度重なる故障やオーバートレーニングに泣きました。


 当時辛かったのは「一年前よりもいい練習ができているのに、レースでは走れていない」という状況です。この時はなぜそんなことになっているのかわかりませんでした。ですが今になってわかります。それは、当時の私のやり方が収穫逓減の法則、収穫逓増の法則上、完全に効果が薄くてリスクだけ大きいポイントまで追い込んだものになっていて、結果そのトレーニングに体が適応できていなかったからです。


 市民ランナーになってからはそのような過ちは犯していません。それは、今回お伝えした三つの法則を頭でまず理解し、それを体で実行できるように掴んだからです。特に、まず頭で理解した分、再現性があるという安心感が大きいです。


 なので、ぜひ何度も読み返して日々のトレーニングに活かしてみてほしいのです。やはりまずは頭で理解してからやる方が、トータルで見たら圧倒的に成長が速いです。


 最後に、ここまでお読みくださったあなたにプレゼントがあります。実は今日の内容は私がある書籍から学び得たことを解釈してあなたにお伝えしたものなんです。私が学んだ元の書籍が『詳説長距離走・マラソンが速くなるためのたった3つのポイント』というものです。こちらはタイトル通り、長距離走やマラソンが速くなるために絶対に押さえてほしい基本原則について解説された一冊です。


 本書は上記で紹介した「トレーニング」はもちろん、「リカバリー」「マインドセット」全ての基本原則について解説した本で、まさに長距離走・マラソンが速くなりたい全ての市民ランナーの為に書かれたもの。この本の著者である池上秀志は、プロランナーとして自分の脚で稼ぎ生計を立てるべく、世界の一流指導者、一流選手の元に直接行って指導を仰ぐため、ケニア、ニュージーランド、ドイツ、オーストリアなど海外を単身で飛び回ってマラソンが速くなる真理を追求しました。さらに洋書・和書問わず数百冊の本を読み込み、膨大な知識を身につけました。その結果として、彼は走り方ではなく「トレーニング」「リカバリー」「マインドセット」の3要素こそが、長距離走・マラソンで速くなるために必要な本質であると気づきました。なので本書では「走り方」に関する記述はありません。ですが私は、これは書店にあるどの本よりも本質を突いた本だと確信しています。


 またこちらの書籍は、入門書としての側面もあり、迷ったときにはいつでも見返せるようにデザインされています。かつての私がこの本に出会っていたことで、今ランナーとして全然違う景色が見えているのは一つの事実。間違いなく本書が、今の走力まで辿り着く近道の入り口だったと思います。


 本書は本来は1000円で販売しています。ですが、この記事をお読みいただいたあなたにもぜひ、ランナーとして見える景色が変わるこの感覚を味わっていただきたい、成功を応援したいという想いから、現在公式LINE登録で無料でデータをプレゼントさせていただいています。ランナーの方であれば、お手元にあって損はない一冊です。ぜひ、下記URLよりお友達追加をして、受け取っていただけませんか?










 あなたのランナーとしての成功を願っています^^



ウェルビーイング株式会社副社長

らんラボ!代表

深澤哲也



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ランニング書籍

講師紹介
​ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

​ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也

IMG_5423.JPG

経歴

中学 京都市立音羽中学校

高校 洛南高校

↓(競技引退)

大学 立命館大学(陸上はせず)

​↓

大学卒業後

一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。

2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。

感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。

現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、教え子は2年生で滋賀県の中学チャンピオンとなり、3年生では800mで全国大会にも出場。

 

実績

京都府高校駅伝区間賞

全日本琵琶湖クロカン8位入賞

高槻シティハーフマラソン

5kmの部優勝 など

~自己ベスト~

3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)

​マラソン 2:36:14(2024)

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