運動生理学を学ぶ意義、そもそも運動生理学とは何か
- 秀志 池上
- 4 日前
- 読了時間: 16分
突然ですが、あなたは運動生理学に興味をお持ちでしょうか?
というか、そもそも運動生理学とは何で、学ぶことで一体どんな良いことがあるのでしょうか?
本日は運動生理学というものにちょっと興味を持っているけれど、よくよく考えてみると一体それが何で、学ぶことでどんな良いことがあるのかわからない方の為の情報です。
先ず第一に、運動生理学とは何かということですが、運動生理学とは運動中の生理学です。では、生理学とは何かということですが、主に人間の体の中で何が起きているのかを観察する学問です。
例えばですが、お腹が空いたらご飯を食べるとか、ご飯を食べないと死ぬとか、そういうことは昔の人も知っていた訳です。嘘か本当かは知りませんが、豊臣秀吉が戦上手だったのは、兵站(補給)の重要性に目をつけて、戦う前に道の両端の草むらの中におむすびを隠しておき、自軍が長期にわたって戦い続けられるように配慮したからだという話があります。
その話が、どこまで本当かはさておき、「腹が減っては戦は出来ぬ」という言葉があるくらい、昔から食べないと動けないことは皆知っていた訳です。
しかし、ご飯を食べたら、それが一体お腹の中で何が起きているのか、そもそも腹が減ったという感覚はどのように生じているのか、ものを食べるのと水を飲むのとでは何が違うのか、こういったことを解き明かすのが生理学です。
昔は人間を切ったら血が出るということは知っていたし、空気がないと死んでしまうことも知っていましたが、血液がどのような役割を果たし、空気を吸うと体内で何が起きていたのかもわからなかったし、もっと言えば、一つの精子と卵子が結合して人間が出来るというのが分かったのも人類の歴史ではかなり最近の話です。
昔は女性の子宮内に注ぎ込まれる精液が一定の量に達すると子供が出来ると考えられていた文化圏もたくさんあるのです。このように考えると、また歴史の見方も変わるでしょう。
現代人の感覚からすると、避妊具や避妊薬、遺伝子検査まであるから男女平等で良いという考え方かもしれませんが、昔は生まれてくる子供が誰の子供かも分からないし、もっと言えば、女性の子宮内に注ぎ込まれる精液が一定の量に達すると子供が出来るという考え方に従えば、生まれてくる子供の3割は私の遺伝子で構成されているが、1割は元カレ、1割は元元カレの遺伝子で構成されているというようなこともあり得る訳です。
こうなってくると、当然子供への接し方や妻への接し方に影響が出てきます。もう少し直接的に書けば処女のまま結婚した妻と他の男と交わってから結婚した妻では、自分が有する限られた食料や1つしかない命の使い方が変わってくるということです。このように考えると、歴史上の様々な文化の在り方というものが理解できるでしょう。
また、農村のような一つの共同体が一つの家族である場合には、結構乱婚的な文化のところが古今東西多いです。村が一つの家族なので、誰の子供であるかはあまり重要ではなく、生まれてきた子供は村の子供です。それよりも、村が存続するためには、子供が必要なので、乱婚的な形になるのです。
一方で、武家や商家では跡継ぎ問題、家督相続の問題があるので、誰の子供かが明確でなければなりません。しかしながら、生まれてくる子供全員が優秀とも限らないし、全員が男の子になるとも限らないので、ある程度の人数が必要です。したがって、一夫多妻になります。
時代が違うの一言で済ませる前に、もっと深く考えていくと、そこには一種の合理性や生理学的な理解の深さの違いというものがある訳です。
このように、生理学の進歩一つで生き方まで変わるのです。人間の本能が変化したか否かはまた別問題として、生理学に対する理解が深まれば、元カレが何人いても遺伝子検査をすれば誰の子供かわかるから別に若い間に避妊具も使いながら遊んでも良いよねとか、敵の勇士の心臓を食べたところで含まれている鉄やタンパク質などの含まれている成分は豚や牛の心臓とあまり変わらないから意味ないよねとか、寧ろプリオンタンパクというある種のタンパク質が体にとっては有害だから人間を食べるのはやめた方が良いよねとか、生贄の心臓に刃を突き立ててそこから滴る血を飲んだところで、自分の体液と同じ濃さだから、浸透圧が等しくなり、乾きが癒されないよねとか、色々なことが分かり、生き方が変わる訳です。
ライ病患者に対する偏見もなくなって隔離施設もなくなりましたし、エイズも昔は空気感染するのではないかと過度に恐れられたりもしていたのですが、そういった人々に対する偏見もなくなりました。
また逆に、欧米の文化と比べると、日本文化は握手やハグ等の他人との身体的接触が少なく、神社に行ったら手を洗い、家に帰ったら靴を脱ぐというような文化も、生理学の観点から(病理学、衛星面、医学)も合理的であることが分かり、伝統文化の中にある合理性というものも見直されるきっかけになるでしょう。
ヒンドゥー教の牛を食べてはいけないとかイスラム教の豚を食べてはいけないというような戒律も、昔は生のまま食べる人が多かったので食あたりを起こしやすく、それで禁止しているという説もあります。なので、これももしかすると歴史学と生理学の発達で「火を通して食べたら良い」という風に戒律が変わる可能性もあります。
繰り返しになりますが、人間の本能がすぐに変わる訳ではないですし、人間は物理世界だけではなく、精神世界にも生きているので、生理学だけで生き方が全て変わることはありませんが、生理学の発達で精神世界に変化が生じ、精神世界が変わると実際の行動が変わるというところに着目してください。
実際に、現代人の生き方は数百年前、数千年前の人間とはだいぶ異なります。もしも、生理学が発達していなければ、今でもスポーツの世界は真夏に水を飲んではいけなかったし、体を冷やしてはいけないから真夏にプールや海に入ってはいけないということを多くの人が実践していたでしょう。あるいはマラソンランナーの為の勝負飯も焼き肉やステーキのままであったかもしれません。
ここで着目していただきたいのは、生理学に対する理解が深まると、実際に生き方が変わるということです。そして、基本的には合理的な方向性へと変わっていきます。
運動生理学は運動中の人間の体内で何が起こるかを解き明かすことで、基本的には練習が合理的になるという方向性へと進んでいきます。
ただ、これも理解していただきたいことは、実は歴史を振り返ってみると、運動生理学によって効果的な練習が編み出されたことはないのです。すべて、効果的な練習は優れたコーチや選手によって編み出されてきました。重要なことはここからです。
運動生理学を学ぶことで、精神世界が変わるのです。つまり、何故この練習が効果的なのか、何故この練習が正しいのか、この練習をやることで体内では何が起こり、どのような生理学的適応が生ずるのか、そういったことが理解できるようになるので、より自信をもって練習に取り組むことが可能になります。
信は力なり、信ずることで力は倍増します。つまり、練習効果は倍増します。
また、運動生理学を学ぶことで、自分の感覚の変化もより深く理解することが出来るようになります。
例えばですが、5000mや3000mのレース中の苦しさとハーフマラソンやフルマラソンのレース中の苦しさはまた種類が違うのではないでしょうか?
のどの渇きと空腹感が異なるのと同様に、3000mや5000mのレース中の苦しさとハーフマラソンやフルマラソンのレース中の苦しさは感覚が違いますよね?
この感覚の違いというのも生理学的な違いに基づくものです。こういったことが理解できると、より正しく感覚を扱うことが出来るようになります。
また、無理なことは無理だと分かるということも非常に重要です。運動生理学を学ぶと走り方を変えたところで、長距離走、マラソンはあまり速くならないことがご理解頂けます。しかし、なんとなく直感的には走り方を変えたら速く走れそうな気がするのが、人間という生き物です。
なぜならば、五感で感じられるのは走り方しかないからです。
しかし、世界は五感で感じられるものだけで構成されている訳ではありませんし、寧ろ、五感で感じているものなんて世界のほんの一部に過ぎません。運動生理学を学ぶことの重要性は五感で感じられないところで何が起きているのかを知り、世界を正しく認識することです。
正しい認識がなければ、正しい戦略も立てられないし、正しい努力が出来ないのも当たり前の話です。運動生理学を学ぶことのメリットは、正しい情報に触れたときにその正しさというものをより深く信ずることが出来るので、迷わずに強い力を発揮できるようになるということです。
これは立場を逆にして考えてみると分かりやすいです。わが社では創業以来この5年間で中学生から70代の方まで1万人以上の目標達成、夢の実現、全国大会での優勝、お悩み解決などのお手伝いをさせて頂いてきました。
その経験からお伝えさせて頂きますと、年齢が低ければ低いほど盲目的に我々の言うことを信じてくれるので結果が出るのが早いです。
一方で、年齢が上がれば上がるほど、我々の言うことを信じてもらいにくいので、信じてもらうまでに時間がかかります。その分だけ、結果が出るのが遅れるという現実があります。これは我々にとっても、市民ランナーの方にとっても損でしかない訳です。
そこで、運動生理学が登場する訳です。正しいトレーニングは正しいのか、何故正しいトレーニング戦略は正しいのか、何故正しいトレーニング理論は正しいのか、それに裏付けを与えてくれ、大人になってからでも信じられるようになるのが運動生理学です。
また、運動生理学が理解できるようになると、練習はきつければきついほど良い訳ではなく、ある練習の目的を達成する最低限の負荷というものが存在することに気づくことが出来ます。これによって、練習はきつければきついほど良い、追い込めば追い込むほど良いという強迫観念から解き放たれ、より走ることを楽しむことが出来、効率良く目的を達することが出来ます。
運動生理学の世界での権威、ジャック・ダニエルズ博士が講演の中で次のようにおっしゃっていたのが私の中では印象的です。
「もしも、私の庭の芝刈りを100ドルでやってくれる人と80ドルでやってくれる人がいたときに、結果が同じなのであれば、より多くのコストをかけるのは馬鹿げている。結果が同じなのであれば、常に最小限のコストでそれを成し遂げるのが賢明な選択だ」
アメリカ人らしい合理的な思考だなと思いましたが、この合理的思考こそが効率の良い目標達成には必要な考え方です。
運動生理学の目的とは、今何が起きているのかを正しく理解することで、合理的な選択をすることにあると言っても過言ではないでしょう。まあ、研究者たちは単純に楽しいからやっているのかもしれませんし、私も正直楽しいから勉強しているだけという面が大きいのも否定はしません。ただ、楽しいから勉強していると色々な実用的に役立つことが分かってくるのも事実です。
この楽しいから勉強することを基礎研究と言います。基礎研究の段階では、まだ何の役に立つのか分からないものです。ところが、ある程度基礎研究を積み重ねるとどこかの段階で何かの役に立つことが急に分かったりします。
比率としては基礎研究の全体を10割とすると、そのうちの1割くらいは実用的観点から役立つことが分かるのです。ただ、多くの方にとっては基礎研究よりも、この実用的観点から役立つ情報が欲しいでしょう。
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こちらの講義の一部を紹介させて頂きますと、先ずランニングの為の熱力学について解説をさせて頂きます。これが理解できると、何故長距離走、マラソンの記録向上は走り方の改善ではなく、代謝の改善によって生ずるのかが理解でき、情報収集においても、実際の練習においても迷いがなくなります。また、何故低強度走や中強度走などのきつくはない練習で走力が飛躍的に向上するのかもお分かり頂けるので、より納得して取り組んでいただけるでしょう。
それから、走行速度と有気的代謝と無気的代謝の関連性についても解説させて頂いております。これが理解できることで、何故レースペースになると苦しく感じるのか、換言すれば、何が原因でそれ以上のペースアップが出来ないのか、何故高強度な練習はきついのか、体内で起きている現象としては中強度走と高強度走やインターバルと何が違うのかがお分かり頂けます。
それから、乳酸性閾値についても解説させて頂いております。これが理解できると、何故血中乳酸濃度を測定するのか、何故本当の意味では乳酸性閾値は存在しないのか、何故乳酸性閾値走や閾値走やLT走と呼ばれる練習に本質的な意味はないのか、こういったことが理解できるようになります。
繰り返しになりますが、こういったことが理解できると、正しい練習とはどのようなものかが理解できるようになりますし、また、ランニングに関する情報に触れたときに、それが正しいのか、正しくないのかが理解できるようになります。
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こちらの講義では最大酸素摂取量についても解説させて頂き、何故酸素摂取量を計測するのか、酸素摂取量を計測するは本質的にはどういう意味があるのか、酸素摂取量と走行速度にはどのような関係があるのか、酸素摂取量は何によって決定されるのか、こういったことが理解できるようになり、Vdot指標やガーミンが出してくる最大酸素摂取量に惑わされることがなくなります。
また、Vo2Maxインターバルをしなくても、最大酸素摂取量が向上すること、それよりも効果的な練習方法がお分かり頂けるようになります。
また、走経済性についても解説させて頂いておりますので、これが理解できると正しい走り方の方向性が理解できるようになるとともに、ネットや雑誌などに数多ある走技術に関する情報の中のどれが役立つもので、どれが役に立たないかが理解できるようになります。
また、私からあなたが運動生理学を学ぶことのメリットもお伝えさせてください。
私は独学で運動生理学を学び、そこで得られた知識をトレーニングに応用することで、たった一人でおじいちゃんやおばあちゃんが散歩している河川敷で練習し、ハーフマラソン63分09秒まで記録を伸ばすことが出来ました。
また、英語とドイツ語が理解できますので、多くの方がアクセスできないような書籍や論文など数百本、運動生理学について学んできました。
そして、実際に過去5年間で多くのアマチュアランナーの方が目標達成、夢の実現を成し遂げておられ、「ウェルビーイングのお陰で初めてサブ4を達成しました!」「池上さんのお陰でサブ3.5達成しました!」「池上先生のお陰で還暦を過ぎてから初めてサブ3を達成しました!」などのお声を多数いただき、中には全国大会で優勝されたり、入賞された方もいらっしゃいます。
また、「私もすっかり池上教信者です(笑)」とのお声もいただいております。
そして、京都教育大学で4年間みっちりと教員になる為の訓練を受けており、皆様に分かりやすく長距離走、マラソンに関する真理をお伝えさせて頂くことに誇りを持っております。
「オンラインに存在するランナーの為の日本一のウェブサイトを作る」、「1万人のランナーさんの目標達成、夢の実現の達成をお手伝いさせて頂く」この二つを目標、理念として起ち上げたウェルビーイング株式会社では、創業5年でこの二つの目標を達成し、男性社員二人がマラソン2時間半前後まで記録を伸ばしました。
会社としては、無料のコンテンツは月間のべ10万人、有料のコンテンツはロンドンオリンピック男子マラソン代表の藤原新さんを始め、年間のべ約5000人の方にご利用頂いております。
最後に、ここまで自信満々に言っておいて「受講してみたら、期待外れだった、ごみコンテンツだったらどうしてくれるんだ?ええ、おいにいちゃんよー?」とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、刺青が入っているか入っていないかに関わらず、潔く理由を問わずに全額返金させて頂きます。
ですが、そのようなことにはならないでしょう。他の受講生様の半分程度の満足度でも絶対に絶対にご満足いただけるのですが、いかがですか?
それでもそれでもまだ決めきれないという方へ
それでもそれでもまだ決めきれないという方、なかなか迷われますねぇ(笑)
でも、最後まで迷って迷われた方ほど、確信を胸に抱いてから受講されるので、その分知識の習得も確りとしているものです。その上で、一つ考えていただきたいことがあります。
あなたは運動生理学を学ばなくても、私の言うことを盲目的に信ずることが出来ますか?
もしも、私以外の方からは一切情報を収集しない、全て私の言ったことを盲目的に信ずることが出来るというのであれば、運動生理学を学ぶ必要はないでしょう。
しかしながら、私がどれだけ優秀なアマチュアランナーのコーチングに特化したコーチであったとしても、あなたが大人であれば、私の言うことだけを盲目的に信ずることは難しいです。残念ながら、人間はそういう風に出来ているのです。
年頃になると異性に興味を持ち始め、年ごろになると下の世代の役に立ちたいと思うようになるのと同じで、年ごろになると他人の言うことを無批判には信じられず、自分の頭で吟味してからでなければ信じられなくなるものなのです。自分の頭でその情報が正しいか否かの判断基準を持つ必要があるのです。
あなたもこの判断基準を手に入れてみませんか?
あくまでも「運動生理学概論」は運動生理学という広大な範囲の入り口に過ぎませんが、それでもこんな世界があって、ちょっと勉強するだけでこんなにも観る世界が変わるんだと思うと、あなたの世界観が変わるものです。
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