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サブ3できそうでできない人の特徴

更新日:10月4日


 「サブ3するのはもう、時間の問題やろうなぁ・・」


 周りから見ても、または本人までもがそう思いながらも、中々サブ3が達成できないというランナーさんは案外多いものです。


 特に3時間半を切ってくると、そのまま勢いづいてサブ3予備軍のレベルに入ってくる人が多いのですが、そこから3時間を切るまでに壁に当たってしまう方が多いように思います。


 このようにサブ3が目前に迫っているにも関わらず、その後中々サブ3達成まで届かないランナーさんには、どういった特徴があるのでしょうか?


目前まで来ているのに中々達成できないランナーさんの特徴

 結論から言えば、こういうケースの場合「スピード持久力の不足」が原因であることが多いです。スピード持久力と言うと、ちょっと曖昧な表現かもしれません。もう少し厳密に言えば、最大スピードからどれだけ落とさずに走り続けられるか、という力が不足している可能性があるということです。


 スピード持久力がつけば、当然MAXのスピードに近いペースで走り続けることができるので、目標のレースペースで走り続ける力も向上していきます。ただ、サブ3が目前に迫っているけれど、中々3時間を切ることができない人には、このスピード持久という要素が不足している人が少なくないです。


 まず、サブ3がある程度見えてきている人は、最低限の基礎スピード自体は足りていることが多いです。では、そもそもサブ3するにはどれくらいのスピードが必要なのでしょうか?


 フルマラソンにおける基礎スピードは、基本的には「5kmや10kmの走力」を基に考えます。100mのスピードではありません。もちろん、100mが速ければ、自分の最大値が高まることを意味しますので、有利であることは間違い無いです。


 しかし、100mの全力の動きというのは、マラソンでは絶対に使わない動きです。力の出し方も全然違います。つまり、100mが速いことは、フルマラソンとは相関関係がほぼ無いのです。


 これがどれくらいの距離から相関関係が強くなってくるかというと、大体5000mあたりです。1500mくらいだとまだちょっとフルマラソンとは違った動きになるでしょう。5000mが速い人は、往々にしてフルマラソンも速く走れるケースが多いですし、フルマラソンを走ったことがなくても潜在能力的には高いと言えます。


 では、サブ3するには5kmはどれくらいで走れるべきなのでしょうか?結論から言えば、19分30秒〜19分15秒程度です。


 この数字の根拠を説明します。まず、フルマラソンを3時間以内で走るには、1kmあたりは4分15秒、5kmあたりは21分15秒で走り続ける必要があります。この21分15秒というペースから、最低1分30秒の余裕が作れればそのままフルマラソンを走れる、という算段です。


 実際これは多くのランナーがこの範疇に当てはまっています。例えば、マラソン全日本記録保持者の大迫傑選手だと、5000mのベストタイムは13分8秒です。で、フルマラソンは2時間5分29秒です。つまり、5km辺り14分52秒というペースが平均となります。


 大迫選手の場合、フルマラソンのベストタイムのペースが、5000mを一本全力で走った時のタイムから見て1分42秒の余裕があります。非常に妥当なラインの数字であることがわかります。


 他の人の例も出しましょう。弊社の代表の池上秀志は、5000mのベストタイムは14分20秒です。フルマラソンは2時間13分41秒なので、5kmは15分50秒ペースです。見事ピッタリ1分30秒の余裕があるということになります。


 ご覧の通り、しっかりスピード持久力があれば、5kmあたりのペースが、全力で5000mを一本走った時から大体1分30秒〜2分の遅れではフルマラソンを走ります。しかし、スピード持久力が足りていないと、この時の「落ち率」が大きくなってきます。つまり、1分半とか2分の落ち率では効かなくなってしまうのです。


 わかりやすいように私の例を出しておきます。私の5kmの社会人ベストは15分25秒です。フルマラソンは現時点で2時間29分44秒なので、5kmはおよそ17分40秒ペース。あれ?2分以上空いているな・・・


 こういうことなんです。本来スピード持久力があれば2分以内の差では走れるはずなのに、それ以上空いてしまうのは、スピード持久力が不足している証です。


 そして、サブ3を達成できそうでできない人は、この落ち率が大きい人が多いのです。逆に言えば、すでに5000mを19分15秒〜30秒よりも速く走る力があるなら、それ以上スピードをガンガン鍛える必要はそこまでなく、そこからいかに落とさずに走り続けられるかという持久力の養成に注力した方がいいのです。


 おわかりいただけましたか?つまり、5kmで19分15秒〜30秒の力があるにも関わらず、マラソンでサブ3ができていない人は、基本的にはスピード持久力の方に伸び代があると思っていただいて大丈夫です。


 とはいえ別に、19分30秒で走れるからといって、5kmの走力アップの取り組みをしなくていいというわけではありません。もちろん5kmももっと速く走れるようになれば、スピード的な余裕度が上がるというメリットがあります。


 しかし、5kmの力を上げるのと、そこからいかに落とさずに走れるか、という力を上げるのとどちらがコスパ的にいいかということはご自身の中で考えた上でトレーニングに取り組まれると良いかと思います。


どうすればスピード持久力がつくのか?

 スピード持久力とは、速い話が「速いペースで押し続ける力」です。それを身につけるための方法はまあ、色々とあるのですが、今日は四つの方法を簡単に紹介させていただきます。


1、マラソンペース付近での持久走


 まず一つが、マラソンペース付近での持久走、もしくはロングインターバルです。


 具体的には、大体15~20km程度をマラソンペースで走るような練習は、最終的には何本かは欲しいです。サブ3を基準にするなら、1km4分15秒ペースで15~20km走を何回かはやりたいですね。


 これは、速いペースである程度長く走るというトレーニングになるので、苦しい中でうまくエネルギーを生み出す力もつきますし、また苦しい中でうまく力を抜く走技術も身に付きます。

 

2、距離走

 

 なんだかんだ言っても距離走をしっかりやっていると、スピード持久力は向上していきます。フルマラソンに向けては特に距離走が一番大事な練習になりますが、この距離走をしっかり積み上げることでも速いペースで走り続ける力は向上します。


 何より、長い時間接地の衝撃に耐え続けるということをすることで、脚の筋持久力がついていきます。速いスピードで維持するためには、なんと言っても着地の衝撃に耐え続けられなければ話になりませんので、定期的な距離走は必須になってくるでしょう。


3、中強度の持久走


 これは土台づくりの時期において重要です。中強度の持久走がどれだけ詰めてできるかということが、スピード持久力向上の鍵になってくると言えます。中強度というのは、あくまで主観的な測り方なのですが、言葉にするなら「翌日に疲労を残さないレベルで、かつ毎日やれと言われたらできる強度」です。


 もっと簡単な言葉で言えば、楽でもなくキツくもなく、というくらいです。その練習で疲労回復は難しいけれど、でも翌日にスピード練習や距離走をやれと言われたらできるな、くらいの強度でのランニングです。


 この中強度の持久走をコンスタントにできるようになっていき、かつその距離が延びていけばとても回復力が向上していると思いますし、必然的に筋持久力も心肺機能も満遍なくレベルアップしているはずなので、結果としてスピード持久力が向上しているでしょう。


4、練習量


 これも土台づくりの時期は特に重要です。練習の総量もそうですが、練習の密度も重要です。練習の密度が高ければ、練習と練習の間の休養時間が短くなるので、必然的に回復力も上がります。


 回復力の向上は、基礎体力の向上です。基礎体力が高くないと、そもそもスピード持久力もクソもないという話になります。具体的には、サブ3を目指すならやっぱり月に250km以上は走れていた方がいいでしょう。その理由は、走行距離が増えることで上記で紹介したようなメニューも色々と入れることができますし、さらに基礎体力が向上することでトレーニング刺激に対する体の適応能力も上がります。


 やったトレーニングの刺激に対して、体が適応しなければ、トレーニングの効果は得られません。ぜひできる限り練習の密度を高くして、回復力を高めていきましょう。



 いかがでしたか?今日は一例を挙げさせていただいたのですが、このようなトレーニングに加え、休養日のジョグだったり、できる限り高い密度でのトレーニングを積み上げていくことで、スピード持久力は向上していきます。


 特に、今日例に挙げた大迫選手や池上は月間走行距離も相当多いはずです。多いときは月間1000km近く走るようなこともある選手ですので、それだけの練習をやっているとやはり必然的にスピード持久力が向上しているでしょう。


 市民ランナーであれば、月間300kmでも多い方になりますので、つまりそれだけ走れたら人よりもスピード持久においては優れることができるチャンスがあります。そうなれば、周りの同じくらいの力のランナーをどんどん追い抜いて、いち早くサブ3に到達できる可能性も上がるでしょう。5kmで19分30秒以内では走れるなという感覚がもしあるなら、ぜひスピード持久力の向上にもチャレンジしてみてください。


効率的にスピード持久力を向上させるには?

 もしあなたが効率的にスピード持久力を向上させたいと思うなら、スピード面と持久面それぞれの練習をうまく組み合わせて、土台づくりとなるような基礎構築の練習から、レースに近い刺激である特異的トレーニングへと徐々に移行していくというやり方をしていくのが最も王道なやり方かつ効率的でしょう。


 ただ効率的だとは言っても、マラソントレーニングです。どうしても時間はかかります。


 マラソントレーニングに入るための基礎構築の期間から、マラソンに特化した特異的なトレーニングを経てレースを迎えるまで、少なくとも3ヶ月くらいは準備期間を取った方がより高い調子のピークを作れるでしょう。


 その際私からぜひ提案したいのは、以下の二つのことです。


・基本的なマラソントレーニング理論を理解する

・過去の事例(実際うまくいった人の例を、できれば複数人)を参考にする


 まず理論の重要性ですが、先ほど申し上げたようにマラソントレーニングは時間がかかります。その上、市民ランナーの場合は逐一練習にコメントをくれる指導者がいないわけです。目標のマラソンレースに向けて、長い時間取り組んでいく中で「これで良いのだろうか」と迷う瞬間は必ずやってきます。それも何度も。そんな時に自分の方向性を確かにしてくれるのは、正しいトレーニング理論の知識なんです。


 加えて、すでにうまくいった人がどんなことをやったのか?という事例も一緒にあれば、これほど心強いことはありません。


 かつて戦国の世の日本が、大陸から仕入れたたった14丁の火縄銃に手を加え、ほんの数年後には改良版を戦争で実戦投入して軍事力を大幅に高めたように、すでにうまくいっているものをアレンジして自分のものにするというのは、何か物事を成す際には非常に近道になる秘訣なのです。


 実際、マラソンの歴史は120年以上あります。その過程でうまくいった先人たちがやったことをあらかじめ知って、それを参考にしたり、場合によっては剪定して自分流にアレンジして使えば、自分は先人たちの何倍のスピードでマラソンでの成功を納める可能性が出てくるでしょう。そんな実例が何人分もあれば、サンプルが多いわけですから最強ですよね。


 実はそんな情報を全てまとめた一冊の書籍があり、今日はぜひそれを紹介させていただきたいのです。それが「マラソンサブ3からサブ2.5の為のトレーニング」という書籍です。


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 本書ではトレーニング理論、運動生理学的観点からマラソントレーニングを解説し、その後120年の歴史から歴戦のトップランナーたちのマラソントレーニングを紹介し、それらを踏まえた上で筆者による20週間のトレーニング実例までついています。


 抽象的な理論から、かなり具体的な例まで体系的に書かれているのがこちらの書籍です。


 筆者は大阪マラソン日本人トップで、現在はウェルビーイング株式会社代表として年間数百人以上のランナーさんの目標達成をサポートし、巷では全体の3%しかいないと言われるサブ3ランナーを、受講生の約半数が達成するという実績を出している池上秀志という男です。


 何よりこのブログを書いている私自身が、まだマラソン未経験の時に初めて本書を手に取って、そこからたった三年で2時間29分まで記録を伸ばすことができました。本書の最後に載っている20週間の実例を、ほぼ丸々真似したこともあったのはここだけの話です。


 発刊からすでに3年ほどが経過した現在も売れ続け、何度も在庫切れになって再入荷してきたこの書籍。あなたがこちらをお読みいただくことで得られるメリットは、以下のとおりです。


・マラソンサブ3やサブ2.5といった、市民ランナー界の「超・上位層」の仲間入りができる

・長距離走、マラソンが速くなる

・迷った時に頼りにできる心の拠り所ができる


 これだけのメリットが詰まった本書は、一冊3000円で販売しています。ただし、こちらは500部限定の販売となっており、在庫限りの販売です。


 ぜひ今すぐ下記よりご購入ください!




ウェルビーイング株式会社副社長

らんラボ!代表

深澤哲也


読者様の声


ヒントが散りばめられています


 「マラソンサブ3からサブ2.5の為のトレーニング」ざっと読み終えました。​ 


 世の中に小手先のランニングテクニックの本はたくさんありますけど、本書はマラソントレーニングの核心部分を突いた内容で大変勉強になりました。


  自分の問題が明確になり、将来のビジョンや現状の自分に何が足りないのか?将来に向かってどうすればよいのか?を考えるヒントが散りばめられています。マラソントレーニングは目標に向かって緻密に準備して作り揚げる行為は芸術的だと捉えるべきだと思いました。


  今後の自分のトレーニングに大変参考になりました。 


【山本様(仮名)】 




ベテランナーには至高の1冊


  面白すぎて一瞬で読み終えてしまいました。笑


 ビギナー向けではないのでしょうが、ベテランナーには至高の1冊でしょうね。池上さんのメルマガは毎回欠かさず目を通しているので、見覚えのある内容もチラホラありましたが、一冊の本として手元に置いておけるのは非常ににありがたく感じます。


 個人的に一番面白かったのは歴史の所で、過去の偉人たちのトレーニングが現代に繋がっていく様子を追える所が新鮮でした。あと、前半の理論的な話はユーモラスな語り口のおかげで難解な内容でもスッと入ってくる様に感じました。


​ 最後のレース直前準備~あとがきは心にグッと響きましたね。笑 


 【田村様(仮名)】



筆者紹介

​池上 秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

高校 洛南高校

大学 京都教育大学

​↓

大学卒業後

 実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

~自己ベスト~

3,000m 8:26.12

5,000m 14:20.20

10,000m 29:26.50

30km 1:31:53

ハーフマラソン 1:03:09​

マラソン 2:13:41

 

選手としての主な実績

・都道府県対抗男子駅伝 区間賞

・関西インカレ 二冠

・京都選手権 優勝

・近畿選手権 優勝

・谷川真理ハーフマラソン 優勝

・ハイテクハーフマラソン 優勝

・上尾ハーフマラソン 優勝

・グアムハーフマラソン 優勝

・全日本琵琶湖クロカン 2位

・ケアンズマラソン 優勝

・大阪マラソン2017 2位(日本人トップ)


 
 
 

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ランニング書籍

講師紹介
​ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

​ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也

IMG_5423.JPG

経歴

中学 京都市立音羽中学校

高校 洛南高校

↓(競技引退)

大学 立命館大学(陸上はせず)

​↓

大学卒業後

一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。

2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。

感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。

現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、教え子は2年生で滋賀県の中学チャンピオンとなり、3年生では800mで全国大会にも出場。

 

実績

京都府高校駅伝区間賞

全日本琵琶湖クロカン8位入賞

高槻シティハーフマラソン

5kmの部優勝 など

~自己ベスト~

3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)

​マラソン 2:29:44(2024)

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