先日、弊社講義動画の受講生様である男性(Tさん)より、以下のようなお問合せをいただきました。
「いつも元気の出る動画ありがとうございます。
私はサブフォーを目指している還暦ランナーです。あと3分くらいでいつも達成できません。。。。
30~35k過ぎると脚が持たなくなり、いつも失速します。筋持久力不足と練習量(特に距離走)の不足だと思います。・・・」
う〜ん、とても気持ちがわかるお問合せです・・!30~35kmで脚が持たなくなるという現象は、私自身これまで走ったのマラソンで何度も経験しています。
これと同じような経験のある方は少なくないのではないでしょうか?それまで元気に走れていたのに、30~35kmで脚が持たなくなって一気に失速してしまったり、歩いてしまった、というあの経験です。
せっかく目標タイムを切れるペースで走っていたのにも関わらず、段々とその達成が危うくなり、1km刻むごとに目標タイムが絶望的になっていくあの感覚は、できることなら味わいたくありませんよね。
今回は私の実体験も踏まえ、多くのランナーが陥る30km~35kmの「脚の壁」問題について、その原因と対策について書いていきたいと思います。
なぜ30~35kmで脚が持たなくなるのか?
30km〜35kmで脚が持たなくなる原因は、まさしく今回お問い合わせされたTさんのおっしゃる通り「筋持久力不足と練習量(特に距離走)の不足」である可能性が非常に高いです。
まず筋持久力というのは、単純に42.195km、もしくは3時間、4時間、5時間といった長い時間を元気に走り続ける為の筋肉の持久力です。その距離、時間を走る間、接地の衝撃に耐え続けられる力といってもいいでしょう。そもそも、これがなければ話は始まらないと言っても過言ではありません。マラソンで最後の方に歩いてしまうのは、完全に筋持久力が足りないからと言えます。
ただ、筋持久力に関してはまだ考え方は単純です。というのも、ペースさえ落とせば、ある程度は解決できるからです。ペースが遅くなれば、それに伴って接地の衝撃も小さくなるので走れる時間や距離は必然的に長くなります。
また、何も考えなくてもとりあえず練習で走る距離を延ばしたり、練習の量だけとりあえず増やしていけば、マラソンを走り切るだけの筋持久力くらいは案外簡単についていきます。全く走らない非・ランナーの方からすれば、マラソンを完走すること自体がすごいことですが、私たちランナー的には(特にサブ4、サブ3.5、サブ3など、何らかの目標を持って走っているランナー的には)、完走すること自体はさほど難しいとは感じないでしょう。
本当に難しい問題は、スピード持久力
問題はスピード持久力の方です。つまり「目標とするレースペースで走った時における接地の衝撃に耐え続けられるか」ということがとても重要になってきます。
例えばTさんであれば、サブ4目標なら1kmあたり5分40秒ペース付近で刻んでいく必要がありますが、この場合5分40秒で42.195kmを走り続けるということに対する持久力が必要になります。
一つ目のポイントの筋持久力とは、ペース関係なくとにかくマラソンの距離を走り続けるための土台となる要素です。ペースは6分であろうが6分半であろうが、42.195kmを走り切れる脚があるかどうかという話です。
ですが、スピード持久というのは「狙っているレースペースでマラソンを走り切れるかどうか」ということです。ここを見落としてしまうと、30kmや35km以降に脚がもたなくなったり、脚がつったりする苦労が続いてしまいます。
ではこの問題を解決するための手段は何が考えられるのか?最も重要なことは、なんといっても距離走です。特に、レースに近い負荷の距離走がどれだけしっかりやれるか、ということにかかってきます。
レースに近い距離走というのは、具体的な数字で言えばレースペースの90%~95%での距離走です。例えばサブ3.5を目指していて、1km4分58秒がレースペースの方であれば、5分27秒〜5分12秒あたりのペースでの30km〜40km走を、マラソンの前にどれだけやれるか、ということが最重要事項です。
もちろん練習はスピードとスタミナの両面からのアプローチが重要ですので、それらの要素を同時進行でバランス良く組み合わせていく必要はあります。ですが、最終的には一番大事なのは距離走であることは間違いなく、またいかにレースに近い負荷の距離走を入れられるかということにかかってくると思います。
練習量も35km問題を解決する糸口になる?
さらにTさんはお問合せの中で「練習量」という言葉を使っておられますが、まさにこれも重要なポイントです。というのも、仮に距離走が少し不足している(例えば、練習では30kmまでしかやっていない、など)場合においても、普段から練習の総量が多かったり、トレーニング強度の密度が高ければマラソンを狙ったペースで走り切れる可能性は上がるからです。
例えば、箱根駅伝を走った学生がそのまま初マラソンに出るみたいなパターンでよく見られますが、練習では30kmまでしかやっていないけど普通に最後までマラソン走れちゃった、という人が割といます。これは普段からの練習量が多いのと、練習の密度が高いことの賜物です。普段から普通に20kmのペース走とかが頻繁に入っていたりしますし、普段から二部練習、三部練習とかやっています。
また、夏には合宿へいき、月間800km~1000km近く走って、みっちり基礎づくりをやっています。やるべき時期にものすごく詰めて練習したことによる土台があるから、距離走は30kmまでしかやっていなくてもマラソンに対応できるというわけです。
ただ、市民ランナーだと中々そこまでの練習量を継続的に(特に平日など)やるのは難しいケースも多いでしょう。そう考えると段階的に体づくりを進めていきつつ、土日などの走れる時にしっかり距離走をするのが有効な手段となり得ます。
なお、ここについては私もこれまでかなり苦労をしました。初マラソンは28kmでの途中棄権に終わり、その後初完走を果たした神戸マラソン2022では、ラスト10kmで大失速をして3時間16分でゴール。その後救護室で40分間意識を失いました。
その後もびわ湖マラソン、福知山マラソンとチャレンジを重ねるも、いずれも30kmや35kmから大幅な失速をして、悔しい思いを味わいました。福知山マラソンでは、十分なトレーニングと自信を持って臨んだにもかかわらず、ラスト2kmでは足攣りのオンパレード。ゴール前では生まれたての子鹿のようになりました。
しかし、そこから3ヶ月後の大阪マラソンでは、自己ベストを大幅に更新する2時間32分18秒で走破することができました。
私もあなたと同じように、30kmや35kmで脚が限界を迎え、最後まで持たないという悩みを抱えるランナーの一人でした。そんな状態から始まって半年後、マラソンを2時間32分で走破するまでに行ったトレーニング内容の全てと、週間ごとの解説をこの度、一冊の電子書籍にまとめました。それが「たった半年でマラソン2時間47分から2時間32分まで15分短縮したトレーニング戦略」です。
本書は私が2024年の大阪マラソンをメインレースとして、2023年8月から半年間かけて行ったトレーニング内容を全て公開し、1週間ごとの解説をつけた電子書籍となっております。
大阪マラソンに向けて準備し始めた時の私の自己ベストタイムは、2時間47分でした。そこからの半年間で15分短縮することができたトレーニング内容を全てご覧いただけるとともに、毎週のメルマガでお届けしていた週間の振り返り、そしてその間に出場した各レースの振り返りも全て本書では公開しています。
半年間の中での紆余曲折を含めてご覧いただき、ぜひあなたのトレーニングにお役に立て頂ければという想いから、通常1000円で販売しているこちらのデータを、メルマガ登録いただくことで無料プレゼントさせていただきます。
お受け取り方法は下記をクリックしていただき、メールアドレスをご入力いただくのみです。ぜひ本書があなたのお役に立てますことを心より願います。
ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也
著者プロフィール
経歴
中学 京都市立音羽中学校
↓
高校 洛南高校
↓(競技引退)
大学 立命館大学(陸上はせず)
↓
大学卒業後
一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。
2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。
感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。
現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、全国大会1000m優勝者、全国大会800m準優勝者、800m/1500m2種目での滋賀県中学記録保持者、そして男女ともに800mでの滋賀県チャンピオン3名を輩出。
選手実績
京都府高校駅伝区間賞
全日本琵琶湖クロカン8位入賞
高槻シティハーフマラソン
5kmの部優勝 など
~自己ベスト~
3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)
マラソン 2:32:18(2024)
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