これは、先日の神戸マラソンが終わった後、ランニング・ビジネス、ひいては人生における私の師匠である、弊社代表の池上から届いたLINEメッセージです。
今の走りが完成形という言葉は、昔の私の走りも知っている彼から言われると、とても嬉しいことです。
私は高校時代まで陸上競技をやっていましたが、当時は結構走り方信者みたいなところがあって、走り方を変えるというアプローチで速くなろうと考えていたこともありました。
それで、色々と試しました。
自分で色々本を買ってきて、そこで紹介されているドリルを取り入れてみたりとか、合宿の際に特別講師としてきてくださった先生(当時の山梨学院大学の育成選手コーチの大野影也先生より)から学んだ動き作りなど、かなり動き作りはみっちりとやり込んだと思います。
で、結果どうなったか?
高校時代、私は自分の走りがわからなくなりました。
高校一年時までは、伸び伸びと良い走りができていたと思います。ですが、一年の終わりに疲労骨折をして、一時無理して庇って走ったことで完全に走り方が変わってしまいました。
そして、私はそのまま高校を卒業するまで、自分の本来の楽な走りがわからなくなってしまいました。
そして、高校卒業後、競技をやめてから8年。
もう一度走り出した時意外なことが起こりました。
8年のブランクを経て、崩れていた感覚がリセットされていたのです。
最初はもちろん走りが安定せず、走り方としても良いものではありませんでした。
キツくなると体幹もブレてくるし、それに伴って力みが出てペースも落ちやすかったです。
↑2021年11月時点の走り(ランニング復帰した初年度)*3分40秒ペースです
この時から3年経った今、走りはこのように変化しました。
↑2024年11月の神戸マラソン(手前の赤いユニフォームが私)*3分30秒ペースです
確かにこうしてみると自分でもだいぶ変わったなという実感は湧きます。ただ、別に走りの感覚自体は、3年前と特別何かを変えているわけではありません。あくまでもただ同じような感覚で走って、この違いが生まれました。
そして、それを池上も感じ取ってくれたのでしょう。その旨をLINEで伝えてくれたのは嬉しかったです。
走りが変わった要因とは?
今からちょうど1年ほど前に執筆した「私の走りが“劇的”に安定するまでにやったこと全て話します」という記事の中でも解説している通りなのですが、私が今の“完成形”の走りに至るまでにやったことはいくつかあります。
まず一つが、練習の総量が増えたことです。
今から3年前、私の平均的な月間走行距離はせいぜい150km前後でした。いや、もっと少なかったかもしれません。月間100km程度だったでしょう。とにかく、その頃はまだ練習頻度も週に3日程度、そして走る日は高強度か低強度かという二択でした。
3年経った今の平均的な月間走行距離はだいたい450~500kmです。実に3倍以上の練習量になり、練習内容的にも、中強度走をベースに中量のボリュームも増え、無理なく走れる量が増えてきた印象があります。
練習量がこれだけ増えると、一回あたりで走る量も、週の中で走る頻度も全てが多くなります。これが走りの改善を招きます。
その理由は、人間の体というのは脳と神経回路の記憶によって、できる動きが変わるからです。
まず、練習量が増えることで走る機会が増えます。その結果、1週間、1ヶ月、ひいては1年という期間の中で、脳と体が「走る」という動きを行う機会が増えるということになります。
私たちの神経回路は、ある動きを反復すればするほど、その動きをより効率的に行おうとする働きが出てきます。単純な話ですが、野球で素振りを人よりたくさんすれば、バッティングフォームがよくなるのと同様に、人よりたくさん走ればその分走りが良くなる可能性が高いという話です。
そしてもう一つ、走る機会の増加に加え、そもそもの走る量が増えるということも、自然に走りが良くなることにつながります。
その理由は、単純にたくさん練習すると疲れるからです。練習量が増えたら、より疲れた状態で次の練習を迎えることになります。そしてその次も、そのまた次も。
これを繰り返していくうちに自然と、私たちの脳がまず「もうちょっと楽できひんかな?」と考えるようになり、その楽な動きを神経回路と一緒に探り続けます。こういった理由で、練習量が増えると、自然に楽に走れる動きが身についていきやすくなります。
また、練習量といっても、ただゆっくりダラダラ走る練習ばかり増やしているのでは、中々良い走りは身についていきません。中強度レベルのワークアウトを中心に、フルマラソンをやるなら、やはり長時間の間体を楽に動かし続けることも体に覚えさせたいので、距離走も当然重要です。
次にやったことは、補助的トレーニングです。
先述した練習量をそもそも増やしていったことが最も本質的な理由なのですが、それだけではある問題が発生します。それが、、
そもそも自分の走る動き自体が間違った方向に進んだら、どうするのか?
ということです。
たくさん走れば、基本的には自然に走りが最適化されていくのは間違いないです。ですが、それが崩れてしまうというケースも往々にしてあります。例えば、足が痛くなったとか、疲れて動きが悪くなったとか、いろんなきっかけで走りの感覚が変わってしまうことはあります。
走りが崩れてしまった時に重要になってくるのが、神経回路にある動きのレパートリーと、走りを支える筋肉群です。
まず、動きのレパートリーですが、これはたくさんあればあるほど良いです。長距離走やマラソンは、運動神経が悪くても活躍できる珍しいスポーツですが、それでも運動神経は良いに越したことはありません。最終的に活躍していったり、また成長速度が圧倒的に速いのは、運動神経の良い選手です。
現在私は中学生を指導していますが、その中で動き作りという練習をよく取り入れています。その目的はまさに動きのレパートリーを増やすためなのですが、やはり彼らの中でも動き作りが他よりも上手い子が一定数います。
そして、そうした子はほぼ例外なく、練習の内容に対して2割増しくらいのレース結果を出してきますし、成長の速度が早いです。それは、運動神経の中に豊富に記憶されている動きが理由でしょう。
運動神経に記憶されている動きのレパートリーが増えるというのは、いわばアニメの画数が増えるようなものです。アニメーションは、画数が多いほど絵の動きが滑らかになり、よりリアルになります。
これを私たちの体に置き換えて考えてみると、一見走りと関係なさそうな動き(ジャンプ系、ステップ系、腹筋、背筋、プランクなど)のような動きがたくさんできるほど、自分の中に記憶している動きの数が多いということであり、その動きの数が10しかない人と、100ある人が一緒に走ったら、当然走りの滑らかさも違います。また、その人にとっての楽な走りを実現するために使える動きのレパートリーがより多いので、自分が持つ本来一番良い走りに到達できる可能性が上がります。
私はこの3年間、特にこの2021年からちょうど体幹トレーニングのインストラクターSyokoが一緒に仕事をしてくれるようになり、その関係で「Syokoトレーニング」という体幹トレーニングを取り入れるようになりました。
↑真ん中がSyoko氏
Syokoの考案する体幹トレーニングは、正直言ってきついし、種目によっては難しいものもあります。ウチでもこれまで累計1000人近い方がSyokoトレーニングに取り組んでくださっているのですが、やり始めた当初は「キツい」「動き自体が難しい」といったお声もよく届きました。
そして何を隠そう、私自身もかつてはそうでした。3年前初めてSyokoトレーニングをやり始めた時、もう正直あまりのキツさにかなり休憩しながらやっていましたね(笑)
しかし人間続けていると、不思議とできるようになってくるもので、3ヶ月位続けたところから明らかに休憩なしでほとんどの種目をできるようになってきて、また、難しくてできなかった動きもできるようになっていきました。
それができるようになってからもまだ続けていたのですが、そうしているうちに気づいたら走りが改善されていて「あれ?こんな綺麗に走っていたっけ?」となったわけです。
同様に、しっかり継続していただいた方からもこんな声がよく届くようになりました。
「水戸黄門漫遊マラソン走ってきました。
タイムは2時間56分48秒とPB更新はできませんでしたが、目論見通りの結果を得ることが出来ました。スタート時は快晴で日差しも強く10km過ぎで「もう無理」ってなりました。そこから5〜10s/km落として走ることを決意。
抜かれまくって我慢の走りとなりましたが後半雲が出てきてそこからギアを入れて走りました。
意識したことは体幹でした。体幹を意識して走ると自然と楽に走る事が出来ました。Syokoトレのお陰ですね。いつもありがとうございます。 」
ー 藤原 秀行 様
「こんばんは!
今日5kmTTを一人でやって、多少追い風の力は借りましたが、去年の15分30秒から自己ベスト更新できました(15分15秒)。
朝イチで体幹DVDのCをやって動きも整えてからレースと同じように走りました。
来週初めてトラックで10000mの記録会に出るため入れる時期としては丁度良かったです。
ケガもなく記録を伸ばせているのは体幹DVDと池上さんや深澤さん情報発信のおかげでもあります!」
ー 椎谷 将大 様
キツいけど、その分の得られるものがあるという声は、Syokoトレーニングを継続された方からはかなりの割合でいただくことができました。
ということで、私が市民ランナーになってから、3年かけて自分の走りの完成系にたどり着くことができた要因を改めてまとめますと・・
・練習量と練習頻度が増えたこと
・適切に補助的トレーニングに取り組んだこと
これらの二点が要素として大きいと思います。
そして最後に、自分も走りを最適に近づけて、トレーニングで積み上げてきた力をレースで最大限発揮したい、また、今よりも見た目も綺麗に走れるようになって、颯爽といつもの練習コースを駆け抜けたいという方にお知らせです。
私がこれまで3年間欠かさず継続して、走りの完成系にたどり着く大きな要因となったSyokoトレーニングの最新刊を、11月23日(土)より三日間限定で販売します。
こちらは昨年高校日本一を決めるインターハイで優勝した京都橘高校で体幹トレーニングを担当した弊社体幹部長のSyokoが、毎月ランナーさんにとって必要な筋肉群を鍛えつつ、新たな神経回路を発掘させるためのプログラムを作って提供する内容となっております。
今回はその11月号の内容です。スロートレーニングといって、反動一切なしで、筋肉を奥からゆっくり動かして鍛えていく内容です。
私も実際にやってみましたが、今回の内容は正直、キツいです。これこそが本家本元のSyokoトレーニングって感じです。初代の体幹トレーニングDVDを出した時、本当に多くの方から「キツい!」というお声をいただいたのですが、それに近いイメージを感じました。そして、キツい分「走りが変わった」というお声もたくさん届いたのがその初代DVDでした。
今回も一回あたり20分前後の内容を3種類作ってもらいました。
こちらは、なんとなく今やっているやつは出来てきたし、飽きてきたからそろそろ新しいことをしたいなと思ったタイミングにはぜひおすすめです。弊社からは毎月新しいトレーニングを出していきますが、人によっては毎月新しいのに取り組まれるでしょうし、人によっては2か月に1回新しいものに取り組まれるでしょうし、人によっては3か月に1回新しいトレーニングに取り組まれるでしょう。
そのあたりは繰り返しになりますが「今やっていることが出来てきたからそろそろ新しいトレーニングにしようかな」と思ったタイミングか「そろそろ今のやつは飽きてきたから新しいやつに取り組もうかな」と思われたタイミングが良いと思います。
基本的な考え方は3年前から変わっておらず、週に2回程度1回20分で取り組めるようにトレーニングを組んでおります。そして、週に3回取り組みたいという方の為に20分×3セット分ご用意しております。
トレーニングプログラムの動画はオンラインに公開しており、ご購入いただいた方には動画リンクをお送りいたします。スマートフォン、PCでどこでもできますし、またYouTubeをTVに繋げばTVでも実施できます。
最後に、あなたがこちらのプログラムを行なって得られるメリットは、以下のとおりです。
・体幹部の筋力が強化され、四肢の力が自然に抜けて楽に綺麗に走れるようになる
・走り方が綺麗になり、タイムが向上する
・美しく割れた腹筋と引き締まった体が手に入る
今体幹トレーニングを全くやっていない方は、こちらの内容を行なっていただくとたちまち新たな神経回路が構築され、まずは1ヶ月続けていただければ着実に体と走りの感覚が変わっていくでしょう。
また、今すでに体幹トレーニングに取り組まれている方で、今やっているものが慣れてきたという方は、新たな刺激が入ることでまた体幹トレーニングをやり始めた頃のような変化を感じていただける可能性があります。
今よりも一日20分、走りをより向上させるために時間を割けるという方は、ぜひ今月のSyokoトレーニングにチャレンジしてみてください!
*11月23日(土)から三日間限定販売です
ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤哲也
☆インストラクター経歴☆
Syoko(小谷 祥子)
京都橘高校→鹿屋体育大学→イリアススポーツクラブ→ウェルビーイング株式会社体幹部長
中学時代は100mハードル、高校時代は7種競技で全国大会出場、鹿屋体育大学でも陸上競技を続けるもそこで挫折を味わい、陸上競技は引退。卒業後は結婚、出産を経て、職を探すも就活に落ち続ける。
ここがダメなら就活はやめようと最後の望みを託したスポーツジムイリアスに採用が決まる。しかし、イリアスの方ではそこまで小谷を必要としておらず、週に数回フロントに入ってくれればそれで良く、それ以上は必要とされていなかった。
当然、給料の上がらなかった小谷は、先輩の一言で、インストラクターに活路を見出し、ズンバインストラクターの資格を取得、今ではレッスンはいつもキャンセル待ちじゃないと受けられない人気インストラクターで支配人をして「小谷がいなくなったらイリアスは潰れる」と言わしめるほどの存在となった。
更にコロナ禍でイリアスが閉館となった期間に自宅で肉体改造に取り組むと開館後にお客様から「先生何したらそうなるの?私にも教えて!」との声が殺到し、ヒート&スロートレーニングのレッスンも開始、好評となる。
2023年には、陸上の高校総体(インターハイ)日本一に輝いた京都橘高校の体幹トレーニングを担当し、そして現在はウェルビーイング株式会社体幹部長として、数々のアマチュアランナーさんの体幹トレーニング指導のほか、高校生、中学生選手にも体幹トレーニングを行なっている。個人事業主としてもレッスン開催、パーソナルトレーニングを行なっていて、予約の取れない人気インストラクターとして活躍中。
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