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執筆者の写真秀志 池上

ランナーのセルフケア三種の神器

皆さんこんにちは、ウェルビーイング池上です!


 突然ですが、あなたはプロの陸上選手の体の手入れってどんなイメージを持っていますか?専属マッサージガイ、もしくはマスースがついていて常に練習が終わったらマッサージをいつでも受けられる、毎日とは言わないまでも週何回かは定期的に受けられる、そんなイメージがあるでしょうか?確かに合宿中はそういう環境を整えられるチームもありますが、基本的にはプロの選手や箱根駅伝の強豪校の選手もセルフケアです。


 専属のマッサージガイがついているという話を聞いたことがあるのは、本田圭佑さんと室伏広治さんだけです。後は全員セルフケアを中心としながらも、定期的にチームについている治療家の方に診てもらったり、行きつけの治療院に通ったりというパターンがほとんどです。勿論、私もその例外ではありません。と言うより私の場合は、山奥に暮らしていたことも長かったり、今は仕事が忙しくなかなか治療に通うということが出来ません。おそらく仕事をしながら走っている方は多かれ少なかれ同じような状況だと思います。それから、ちょっと余計な一言ですが、関東の治療家はひどいところが多いです。


 勿論良い先生もいらっしゃるのですが、まあ腕が悪いわりに金だけ高いところが多いです。セルフケアの方がよっぽどましというケースも多いですね。立地が良いと腕が悪くて料金が高くてもそれなりに人が集まるのでしょう。それから本当に腕の良い先生に診てもらわないと腕が悪くても世の中こんなもんと思ってしまうのでしょう。


 話はそれてしまいましたが、基本はセルフケアなのですが、やっぱりいくつかの器具は欲しい訳なんです。色々あって、安いものは無印良品や100均でも買えるツボ押し棒などもありますし、ソフトボールやラクロスボール、テニスボールなども良いグッズになります。今回はそんな色々ある中での私が選ぶベスト3を発表したいと思います。


ベスト3:マッサージローション

1位からいくか3位からいくか迷ったのですが、ここは3位から発表しましょう。3位はマッサージローションです。自分で体を手入れする場合は基本的にはセルフマッサージになります。そして、マッサージは大きく分けると、指圧かリンパマッサージ系かに分かれます。要するに、圧をかけてほぐすか、オイルなどの潤滑剤を使って遠位部(体の中心から遠い方)から近位部(体の中心に近い方)にさすりあげるかのどちらかになります。で、どちらが良いのかというと特に答えはありません。一つ言えることは、故障を治すにはリンパマッサージのようなさするだけのマッサージは不十分だということです。


 ただ、日ごろの体の手入れには私はさすり上げるマッサージがおすすめです。何故かというと、そもそも自分で圧をかけるのは大変だからです。セルフマッサージは基本的には癒しじゃないと長続きしないと思います。脚はほぐれても一生懸命押して疲れてしまうと、なかなか長続きしないでしょう。だから私はセルフマッサージは遠位部から近位部へとこすり上げるマッサージがおすすめです。実際、これでもしっかりとほぐすことは出来ます。故障を治すというのでなければ、これで十分でしょうし、故障や違和感に関しても基本的には表面が緩めば痛みは和らぎます。私自身は高校3年生の京都府高校駅伝前、疲労骨折していましたが、治療院の先生の力もお借りしつつ、セルフマッサージでも筋肉をほぐすと痛みが和らいで何とか区間賞を獲ることが出来ました。疲労骨折と言っても痛いのは骨ではないので、筋肉をほぐせば痛みは和らぎます。


 ここで問題となるのが、その潤滑剤は何を使うのかということです。あるオリンピック選手は「こんなの、滑れば何でも良いんだよ。色々入れて高くして売ってるだけだよ」とおっしゃっていましたが、私はそうは思いません。色々試してみた結果、やはり違いが感じられたからです。ちなみにですが、本当に安く済ませたいのであれば、オリーブオイルやワセリンでも出来ることは出来ます。実際に、ケニア人選手の多くがワセリン(名前は忘れましたが牛のマークの「ポアサナ(これ良いね)」という広告とともに売られています)でマッサージしていました。実際、私も使ったことがありますが、別に使えることは使えます。


 ですが、地球の反対側までいって色々なものを試してみた私が選ぶベストオブベストはクリオのマッサージローションです。お勧めする一番の理由は、単純によくほぐれるからです。確かに自分の手でもマッサージしてるので、ほぐれるのは当たり前なのですが、それ以上にほぐれます。ワセリンで頑張って5ほぐすとすると、同じマッサージをクリオのローションでやったら、10くらいはほぐれる感じがします。


 お勧めする理由の第二は、単純にマッサージするのにちょうど良い潤滑度だからです。あまりにもオイリーだとマッサージの後べたべたになりますし、逆にあまりにもサラサラだとマッサージがしにくいです。男性の場合はすね毛が引っ張られて痛いでしょう。その点、クリオのマッサージローションはマッサージの後もべたべたしませんし、その一方でマッサージにはちょうど良いくらいの粘度があります。


 お勧めする第三の理由は、香りです。先述したようにセルフマッサージは癒しの時間であるべきだというのが私の意見です。そうでなければ、継続も出来ませんから。人にやってもらう時は、もみ返しが来るぐらいじゃないと意味がないという持論の私ですが、セルフマッサージの場合は、強度よりもこまめに体を触って状態を確認しながらほぐすというのが重要になります。そういった観点からも、癒しの時間であるべきなので、香りは重要です。香りに関しては好みがあるのですが、クリオのマッサージローションはまあ、万人受けして良い香りがします。もう一度書きますが、好みはあるので、もし合わなかったらすみません。


 デメリットとしてはやや高いかなという点です。ちなみにリーズナブルな価格ではあります。ただ、200mlで8000円ちょっとするので、毎日きちんと体の手入れをするのであれば、半年で4万円くらいは見ておいた方が良いです。これを高いと考えるか安いと考えるかは考え方次第です。故障でもして治療院に通い詰めることになるとさらにかかりますしね。そう考えれば安いのかもしれません。


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あれっ?私がこの前買った時よりだいぶ値下がりしてます。


 とはいえ、個人の財布の大きさは人それぞれなので、代替案も出しておきましょう。代替案としてはファイテンのメタックスーローションです。メタックスローションはクリオのマッサージローションに比べると若干べたべたし、ほぐれ度もクリオからは一段劣ります。また香りもクリオには大きく劣ります。ですが、これをお勧めする理由は詰め替え用パックが1リットルで4400円なんです。しかも、ボトル三個セットで7000円くらいでアマゾンで買えます。まあボトル3個もいらないんですけどね。プレゼント用ということでしょうか。いずれにしても、クリオの10倍くらいは安いです。ワセリンとかも一リットルサイズで買ったらそれなりにしますけど、まあワセリンよりははるかにマッサージ向きなので、そういう意味ではこれもリーズナブルな選択だと言えると思います。


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 ちなみにそれをマッサージローションと呼ぶのかどうかは分かりませんが、塗るだけで効果のあるやつもあります。面倒くさいから塗るだけという方には愛知電子工業から出ているイリスエスリークがおすすめです。確かに塗るだけでちょっと変わりますし、何よりも毎日自分の体を触ることも大切なので、セルフマッサージは面倒くさくてやってられないという方のために次善の策をどうぞ!




ベスト2:マッサージガン

 あなたはマッサージガンというものをご存知でしょうか?ほとんどの方が知らないと思うのですが、筋膜をほぐすにはもってこいの機械です。私が初めてマッサージガンを買ったのは2019年です。Wishというパチモン(偽物、海賊版)ばかりを集めて格安で売っている中国のサイト(パチモンと言えば中国)から1万円くらいで買いました。このサイト、品質が悪いことを受け入れられるのなら、安くで買えるのも事実なんです。


 因みに初めて買うので品質が悪くてもイマイチ分かりませんでした。比較対象がありませんから。普通に重宝していましたよ。なかなか使い勝手が良かったですし、なんか分解してケースに持ち運ぶことが出来るのですが、イメージこんな感じでカッコ良いです↓↓




 そもそもこのマッサージガンの仕組みと言いますかメカニズムはどのようになっているのかということなのですが、人間の筋肉の表層には筋膜というものがあります。イメージで言えば、表面を覆っているカバーのようなものです。布団カバー、枕カバー、テーブルクロスのように表層を覆っている膜です。人間の体というのは解剖学に示されているように厳密に分解することは出来ません。実際には一枚の布でつながっているようなイメージです。そして、筋肉と筋膜ももちろんつながっています。枕カバーのようなイメージなんだけど、枕と枕カバーがくっついているんです。


 そして、人間の体は筋膜をほぐしてあげると中身の筋肉もほぐれるという性質を持っています。逆の言い方をすると、筋肉の奥が凝り固まると筋膜も硬くなり弾力性を失います。でこの筋膜ですが、揺らすとほぐれるという特徴を持ちます。ほかにも手刀でたたいたり、さすったりするとほぐれるという特徴があるのですが、これを人間の手でやったら大変だから機械で高速の振動を生み出してほぐそうというのが、マッサージガンのコンセプトです。


 で、このマッサージガンも色々あるのですが、初めは価格の違いが良く分かりませんでした。何せ1万円くらいの安物でもまあ満足していましたので。ところが、最近ニュージーランドで同じ釜の飯を食ったフィリップの紹介で35000円くらいのものを試してみたのですが、まあ全然違いました。何が違うか一言でいうと、きめ細やかさです。安物の方は皮膚が痛かったり、不快な痛さを筋肉に感じたりすることもあったのですが、35000円の方はもう全然違います。少なくとも皮膚が痛くなるということはありませんし、寧ろ凝り固まってるようなところも痛気持ち良い感じでアプローチ出来ます。雑に振動を与えて痛みだけあるというのではなく、しっかりとほぐしてくれる感じがあります。


 今使っているものはBooster Pro3(ブースタープロ3)という種類のものなのですが、このブースタープロ3の特徴の一つは筋肉の固さに応じて強さや振動を微調整してくれるということです。先ず手動で強さを4段階で調節できて、そこからそれぞれ30段階の微調整を機械の方が勝手にしてくれます。要するに、全部で120段階の強さがあるので、まさに痒い所に手が届くという感じで、良い感じに調整してくれます。一言で筋肉と言ってもふくらはぎとハムストリングスと腰と背中と肩と全て筋肉の敏感さも違う訳です。また日によって凝り固まっていれば、より敏感になっていますし、緩んでいれば奥まで届かせたい訳です。また私はマッサージローションを使ったセルフマッサージも含めて走る前に使うこともあるのですが、走り終わった後は割としっかり目にほぐしたいのに対し、走る前は少し軽めにしておきたいので、そういう微調整が出来るのは本当にありがたいです。


 またマッサージガンの一つの特徴は先っちょを付け替えて色々な形でほぐすことが出来るという点なのですが、安物の方は作りが雑なので、必然的に選択肢が限られていました。要するに、「これを使ったら皮膚が痛い」というのがあったのですが、ブースタープロ3の方はそうでもないです。用途に応じて色々な先端に付け替えることが出来ます。


 あとは騒音ですね。安物の方は一度下の階の住民が「どうしたんだ?何をしてるんだ?」と様子を見に来たくらいです。当時はベルリンで合宿中だったのですが、「ヤパーナー(日本人)がテロでも企ててるんじゃないか」と思われたのでしょう。そのくらいの騒音と振動があったのですが、ブースタープロ3は家族が全員寝ている状況でもある程度の距離と戸が閉まっていれば問題なく使えます。


ブースタープロ3は多分動画と写真でご覧いただいた方が早いので、下記のURLよりご確認ください。


トップオブトップ:LLLT

 トップオブトップはLLLTです。LLLTは低出力光線療法の略で私自身は2016年にシンスプリントを患ったときにコーチであるディーター・ホーゲンから「現在世界で最も深い組織にまでアプローチすることが出来るのはLLLTだ」と言われてから色々と研究を進め、今では大ファンになっています。


 他には今は亡きオレゴンプロジェクト、リオデジャネイロオリンピックドイツ女子マラソン代表のハーナ―ツインズ、マラソンオーストリア代表のヴァレンティン・プファイル、50キロ競歩東京オリンピック代表の丸尾知司さん(愛知製鋼)なども愛用されています。


LLLTについては過去に何本もブログを書いています。今回初めて聞いたという方は下記のURLより「LLLTのメカニズム」とはどのようなものか?という記事をご覧ください。


 その他4位以下の子たちは「慢性的な痛みを取り除く治療器具たち」の方にも書いています。下記のURLよりご覧ください。



 現在メルマガ登録していただいた方に大阪マラソン日本人トップの池上秀志(ハーフマラソン63:09、マラソン2:13:41)が書いた電子書籍『長距離走・マラソンが速くなるためのたった3つのポイント』を無料プレゼントしています。下記のURLよりお受け取りください。


こちらのブログは下記の個人スポンサー様のご提供でお届けしております。

小西光治様(スバキリ商店)


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ランニング書籍

講師紹介
​ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

​ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也

IMG_5423.JPG

経歴

中学 京都市立音羽中学校

高校 洛南高校

↓(競技引退)

大学 立命館大学(陸上はせず)

​↓

大学卒業後

一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。

2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。

感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。

現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、教え子は2年生で滋賀県の中学チャンピオンとなり、3年生では800mで全国大会にも出場。

 

実績

京都府高校駅伝区間賞

全日本琵琶湖クロカン8位入賞

高槻シティハーフマラソン

5kmの部優勝 など

~自己ベスト~

3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)

​マラソン 2:32:18(2024)

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