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上半身の力を使って走る方法

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 さて、以前にメルマガで触れたのですが、私の母校洛南高校には校舎3階分くらいの高さのネットがあり、そのネットをメディシンボールを投げて越せる選手は、インターハイや国体のチャンピオンになれるという一つの基準がありました。越せなくてインターハイチャンピオンになった選手もいるのですが、越せた選手は全員チャンピオンになりました。面白いのは、種目は問わないということです。100m、八種競技、3000m、三段跳びなど種目は関係ありませんでした。

 まず、なぜメディシンボールでネットを越せる人が、インターハイや国体のチャンピオンになれるのかということですが、これは下半身で地面を押す力を上手くボールに伝えられる人は、上半身の力を下半身に上手く伝えることも上手く、逆に下半身の力を上半身に伝えるのも上手いからです。

 正直な話、私もメディシンボール投げが走りにつながる原理はよくわかりません。ただ、毎年20人近い部員が入っては卒業する中で、インターハイチャンピオンや国体チャンピオンになる選手はネットを越すというのにはきっとそれなりの理由があるはずです。

 ちなみに私はといえば、インターハイすら出られなかったヘボ選手そのもので、メディシンボールを投げても全然飛びませんでした。洛南高校では縄跳び、手押し車、懸垂逆上がり、ハードルドリル、ミニハードルなどなどなど思いつく限りの基礎体力作りがあったのですが、基本的にどれをやってもダメでした。唯一得意だったのが長い距離を走ること、ペースを落とさずに走ること、時計を見なくても同じペースを刻み続けることができること、だけでした。

 こうやって考えてみると、自分と違うタイプの人をつぶさに観察することと、自分の体の使い方をつぶさに観察することで、体の使い方について学ぶことができたように思います。例えば、メディシンボール投げ一つを取っても、外見の投げ方はそんなに大きく変わりません。当然といえば当然で、体の前でボールを両手で持って膝を一度曲げてから、膝を伸ばす勢いで上に投げるしかないので、野球選手のようなバリエーションはありません。ですが、遠くに投げられる選手は大臀筋やハムストリングスの力をアキレス腱へと伝え、最後はアキレス腱や足底の筋膜でしっかりと地面を押しています。上半身の使い方も同じで、腰のあたりから生み出した力を背筋、から肩、前腕、手へとしっかりと力を連動させています。

 走りも実は同じです。強い選手は皆体幹が安定していてブレがありません。ただし、これは外見上の話です。実は体の奥深いところではしっかりとうねっています。下半身の軸は骨盤で、上半身の軸は肩甲骨です。見た目にはうねっているように見えないのは、左右均等にうねっていることと体の内側からうねっていることです。フィギュアスケーターは同じように回転していても腕を伸ばせば観客には大きな回転に見えて、腕を真上に伸ばして一本の軸になれば、観客には細かくスピンしているように見えます。この違いがあるので、強い選手の走りは安定しているように見えるのですが、内側の軸はしっかりとうねって推進力につなげています。

 そして、重要なのは上半身の動きは下半身の動きと連動しているということです。人間の体は、最終的に力を伝える反対側から力を生み出すことで効率良く動けるようになります。例えば、野球は最終的には指でボールを弾きます。それにもかかわらず、投手はとにかく走り込んだり、サーキットトレーニングに励んだり、下半身を強化しますよね?400勝投手の金田正一さんも300勝投手の鈴木啓示さんもとにかく走ることで有名でした。

 では、ランナーはどうかということですが、ランナーも体幹を鍛えたり、鉄棒、手押し車、メディシンボール投げなど様々な手段で上半身を強化します。ちなみに私レベルで瞬発力のない選手になると、バウンディングだけでも上半身が筋肉痛になります。逆にいえば、バウンディング一つをとってもそれだけ上半身の力を使って前に跳ぼうとしているということです。

 ここからはもう少し上半身の力を下半身に伝えていく方法をお伝えします。色々あるのですが、人によって最も違うのは腕の使い方です。大きく分ければ腕の使い方は二通りあります。

 1つ目は肩甲骨を中心に腕を回転させるように使い、骨盤の回転とのバランスをとることで推進力につなげるやり方です。

 2つ目は、腕を後ろに引くことで、前への推進力につなげることです。

 実際には、誰もがこの両方の動きを使っているのですが、その程度は人によって違います。例えば、藤原新さんや瀬古利彦さんは回転の要素が強いですし、大迫傑さんや設楽悠太さんは腕を後ろに引いて推進力を生み出しています。ちなみに、女子選手は男子と比べると腕を横に振って走る選手が多いです。理由の一つとして、体に中で骨盤の占める割合が男性よりも多いからではないかと思います。先述したように下半身の軸は、骨盤です。その軸が大きいと当然、そのバランスは肩甲骨でとることになります。したがって、肩甲骨の回転軸も大きくなり、腕は縦ではなく横に振られるのではないかと思います。

 さて、実は他にもいろいろなテクニックがあるのですが、またおいおいブログや集中講義の中で解説していきたいと思います。この記事を気に入っていただけたら、メルマガ登録の方お願い致します。


追伸 

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ランニング書籍

講師紹介
​ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

​ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也

IMG_5423.JPG

経歴

中学 京都市立音羽中学校

高校 洛南高校

↓(競技引退)

大学 立命館大学(陸上はせず)

​↓

大学卒業後

一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。

2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。

感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。

現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、教え子は2年生で滋賀県の中学チャンピオンとなり、3年生では800mで全国大会にも出場。

 

実績

京都府高校駅伝区間賞

全日本琵琶湖クロカン8位入賞

高槻シティハーフマラソン

5kmの部優勝 など

~自己ベスト~

3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)

​マラソン 2:36:14(2024)

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