アンチエイジング、美肌、呼吸循環器系の疾患、ガンの予防、関節炎の予防と治癒の促進、視力低下の予防など様々な効果があるベリー類ですが、日本語においてはベリーという言葉を使わないので、ブルーベリー以外にも様々な種類があることはあまり認知されていないのではないでしょうか。
ベリー類にはイチゴ、ブルーベリー、アサイベリー、クコの実(ゴジベリー)、黒イチゴ(ブラックベリー)、キイチゴ(ラズベリー)、スグリの実などがあります。これらベリー類がもたらす健康へのメリットは主にアントシアニンという微量栄養素からもたらされます。アントシアニンはわかさ生活のCMでご存知の方も多いかと思いますが、化学的にはポリフェノールの中のフラボノイドの中の一種です。ポリフェノールは他に緑茶やブラックチョコレートに多く含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を持ちます。
以前の記事でも紹介しましたが、抗酸化作用の指標としてORAC(oxidative radical absorbance capacity)というものがあります。このORACを見ていただいてもベリー類が上位を独占していることがお分かりいただけると思います。
(出典:『Warum Papaya kühlt und Zucker heiß macht』 Michaela Döll著 100グラム当たりのORAC
果物
クコの実 10000から30000
アサイベリー 5500以上
ザクロ 5000以上
レーズン 2800
ブルーベリー 2400
イチゴ 1550
オレンジ 750
チェリー 680
野菜
キャベツ 1700
ニンニク 1600
ブロッコリー 900
レッドビート 900
玉ねぎ 450
とうもろこし 400
また抗炎症作用に関して言えば、炎症促進物質であるNF-kappa B、TNF-alpha、特定のインターロイキンを抑える働きがあります。呼吸循環器系の疾患やガンは低度で慢性的な炎症によって引き起こされるので、これらの疾患を予防したり治癒を促進する効果があります。抗炎症作用、抗酸化作用の観点からのみではなく、遺伝子の発現を正常化するという効果からも上記の疾患を防いでくれます。
認知症、アルツハイマー及び脳の老化の防止
アントシアニンは神経の衰えの防止にも効果があり、アルツハイマーや認知症の予防にも効果があります。2010年の春にアメリカのシンシナティ大学が9人の70代の被験者を対象に、毎日コップ二杯半の野生のブルーベリージュースを12週間摂取し続けたグループとプラセボ群に分けて実施した研究1では、ブルーベリージュースを摂取し続けたグループにおいて有意に記憶力の向上が見られました。
胃腸薬としてのベリー
イチゴとキイチゴに含まれるタニンという物質はサルモネア、スタフィロコッケン、ヘリコバクター及びバチルスなどの病原菌から胃腸を守ってくれます。ある研究2はエシェリキア、クロストリディウム、カンピロバクターといった種類のバクテリアの成長を抑制するということを示しました。
関節炎への効果
25000人を対象にしたクコの実に含まれる色素であるベータクリプトキサンティンとカロチノイド色素の一種であるツェアキシアンティンと関節炎の関連性を調べた研究(EPIC研究)では、関節炎に悩む人たちはベータクリプトキサンティンの摂取量が40%、ツェアキシアンティンの摂取量が20%、健康な関節を持つ人たちよりも少なかったのです。ここからこれらの物質が関節炎の予防に効果的であるという結論が導かれましたが、これは先述したようにNF-Kappa B、TNF-alpha及び特定のインターロイキンらの炎症促進物質を抑制するからであると考えられます。
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