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あなたは特異期のトレーニングでこの3つの間違いを犯していませんか?

 もしあなたがこの11月から12月にかけて記録を狙いたいフルマラソンのレースがあるなら、今すぐ以下の三つの間違いを犯していないか、確認してください。


1:練習量を落とすこと

2:レースペースで30km以上走ること

3:5kmレースペース前後でのスピード練習を多用すること


 いかがでしょうか?


 もしあなたのトレーニングが、これら三つの事項に当てはまっているならすぐにトレーニングの組み方を見直してください。なぜなら、このようなトレーニングのやり方を続けることは、あなたのフルマラソンレースの成功を阻害する原因になりかねないからです。


 「いやいや、だって本命レースが近づいているんだし、疲労を抜くために練習量は落とすでしょう?」


 「レースではマラソンペースで42km走るんだから、練習の時点で30kmくらいは走れていないとダメでしょう?」


 そう思われる気持ち、よくわかります。かつて私も同じ間違いをしていたからです。


 しかし、この過ちは高い確率でレースの日、痛い失敗となって帰ってきます。実際、今からちょうど3年前、私は11月23日の福知山マラソンで2時間35分を切ることを目標に、トレーニングを積んでいました。このトレーニングは順調に思われました。何故なら10月上旬の時点で、ハーフマラソンを1時間10分40秒で走れていたからです。2時間35分を切るには十分すぎる、むしろ2時間30分すらも狙えるのではないかというレベルまで、ハーフマラソンのレベルは到達していました。


 しかしながら私は、先述した三つの過ちを犯しました。その結果、レース当日に蓋を開けてみたらまさかの2時間42分。2時間30分どころか、もはや余裕だと思われた当初の予定の35分すらも切れず、あまつさえ30分台ランナーにもなれないという悲しい結末に終わりました。


 あの時の気持ちは忘れることはありませんね。一応、自己ベストは更新していたので(その前は2時間47分)、周りからおめでとうと言ってはもらえました。しかし、全く嬉しくないのです。むしろ、自己ベストが出てしまっていただけに、それが実力だと晒されたような気がして、自分はこんなもんじゃない!という思いと悔しさを胸に抱えながら帰路についたあの日のことをよく覚えています。


 そんなわけで、あなたにも同じ思いをしてほしくないという気持ちから、今日はこの特異期にトレーニングにおいてやってはいけない3つの過ちについてそれぞれ解説します。特に、この11月、12月あたりに記録を狙うレースがある方は必見です。


1:練習量を落とすこと

 まず最初のポイントとして、この特異期の時期に練習量を落とすというのは推奨しません。その理由は、特異期という時期がマラソンから見てまだ比較的時間があるというところにあります。


 そもそも、この特異期という言葉についてあまりピンときていない方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単に説明させてください。特異期というのは、目標とするレースに対して「特異的」なトレーニングに重点をおく時期のことです。


 これは、レースから逆算して時期ごとに練習の重点をおくポイントを変える「期分け」という考え方の中にある概念で、視覚化すると以下のような図になります。



 まず、レースから逆算して最も遠い時期には、しっかりと強い土台を作ります。そして、作った土台を、レースが近づくにつれて徐々にレース仕様に仕上げていくという工程が必要になるのですが、その中で基礎から実戦へと体を少しずつ変えていく時期が「特別期/移行期」にあたります。もしあなたが11月に本命レースがあるなら、おおよその場合8月までが基礎構築期で、9月から10月にかけてが特別期に当たることでしょう。


 そして、この10月の後半から11月にかけては、特異期に入ってきます。この時期では、レースペースにほど近い練習により重点を置き、それ以外の練習の重要度は下がるというのが特徴です。


 つまり、この10月から11月にかけての時期は、11月や12月に本命レースがあるという方にとっては、特異期に当たる時期になります。


 そして、この特異期ではレースを想定したようないわゆる「ポイント練習」の比重が高まる、つまりそういった練習の負荷が上がる一方で、合間の練習の負荷を少し落として週全体の負荷の総量を調節していかなければいけません。


 しかしながら、ここで勘違いが生じやすいのです。それは、負荷を調整するために「練習量を極端に落とす」ということをする人が少なくないことです。


 特異期という時期は、確かにレースに向けて仕上げていく時期であり、レースに向けた練習にこそ重点をおくべきなのでそれ以外の練習は軽くして、メイン練習からの回復に集中すべきなのは間違いないのですが、そのやり方において「量」の面で調節するにはまだ早いのです。


 その理由は、基礎体力の維持にあります。基礎体力というのはいわば私たちの体の基本性能みたいなもので、この基礎体力がどれだけ高いのかによって、どれだけのレベルの練習に対して体が適応できるのか?どれだけのペースで走り続けることができるのか?と言ったことが決まります。つまりこの基礎体力が高くないと、ハードなトレーニングをやってもその練習に対して体が適応できないし、またそもそも自分が当たり前に走れるペース自体上がってきません。


 この基礎体力を鍛えるというのは、レースから遠い基礎構築の時期にやることですが、問題はここで作った強い基礎体力を、レースの日までなるべく高いレベルで維持しておきたいということです。


 しかしながら、特異期においてはハードな練習からの回復も重要。とはいえ、あまりにも合間の練習を落としすぎると、基礎体力が落ちてしまう。


 このジレンマをどう乗り越えるかということなのですが、その方法として良いのが「練習量は維持しながら、強度だけ落とす」という方法です。つまり、ハードな練習はしっかり集中する、そして合間の練習は強度だけ落として量はキープ、これが基本の考え方です。


 ここで疑問として生じるのが「では質の方をキープして量を落とすというのではダメなのか?」という問題があります。これはあまりお勧めしません。何故なら、疲労というのはだいたいの場合質からくることが多く、また質が落ちないとどうしても回復は促進されないからです。つまり回復するには質を落とすことは必要なのです。


 そうなると、質を落とすのはもはや必須、でもその中で可能な限り基礎体力を維持するならどうするのか?その答えが、練習量はキープするということです。特異期というのは、レースから見た時にまだ結構時間がありますから、この時期から量も質も落とすと流石に基礎体力の低下は免れません。その意味合いから、特異期から極端に練習量を落とすのはあまり好ましくないということですね。


2:レースペースで30km以上走ること

 次に好ましくないこととして、レースペースで30km以上走るということが挙げられます。


 これは過去120年間のトップランナーや指導者のトレーニングを分析したり、また数々の市民ランナーの方のトレーニング相談を受けてきたり、自分の経験から導き出したところなのですが、やはり30km以上の距離をマラソンレースペースで走るという練習は負荷が高すぎます。


 負荷が高すぎるとどういう問題があるのかというと、それはかけた刺激に対して体が適応できないということです。それはつまり、せっかく苦労してこなした練習に対して、得られる効果が少なくなるということ。とてももったいないことです。


 トレーニングというのはこなせたらそれで良いというものではなく、かけた刺激に対して体が適応して初めてその効果を得られます。では、体がトレーニング刺激に対して適応するためにはどういう条件が必要なのかというと、それは「1:刺激が強すぎないこと」「2:よく反復されていること」「3:すでに適応している刺激と似た刺激であること」があります。


 その観点からして、レースペースで30km以上走るというのはまず刺激が強すぎるし、刺激が強すぎるということはキツすぎるということなので、反復が難しいという問題があり、さらにいうと日常的にできるような刺激とはかけ離れているため、すでに適応している刺激とも全く異なる刺激になるという点から、3重の意味で適応しにくい練習なのです。


 つまりレースペースでの30km以上の練習は、ハイリスクな割にローリターンな練習だといえます。イメージで言えば、競馬で儲けようとするみたいな感じでしょうか。リスクの割には期待値が低いような、そんな練習になります。


 では、レースペースで練習で走っても良い距離はどれくらいまでなのか?という問いが出てくると思いますが、この答えとしてはだいたい20km前後というところになるかと思います。マラソンペースでの20km前後という練習であれば、練習で一人でやるにしても可能な範囲であり、また適応できるくらいの負荷に収まるかなと思います。

 

3:5kmレースペース前後でのスピード練習を多用すること

 3つ目のポイントとして、5kmレースペース前後でのスピード練習をやりすぎるということがあります。


 これはフルマラソンに向けた特異期に関してなら、ということではありますが、マラソンペースを基準にした時、5kmのレースペースというのはあまりにも速すぎてこれまた特異的な刺激ではなく、ある意味特異期としては必要ない刺激であります。


 実際こんなことしている人いる?と思われるかもしれませんが、市民ランナーの世界では意外と普通に行われています。一例を挙げるとしたら、マラソンで3時間30分を切りたいと思っている人が、練習会などに参加して1km×5本を4分15秒でやる、みたいな感じです。


 これは明らかに3時間30分というペースから見たらオーバースペックな練習です。何故なら3時間30分を切ろうと思ったら、レースペースは4分58秒/kmで良いにも関わらず、4分15秒で走るというのはレースペースから見て115%くらいのペース帯になります。


 特異期の基本原則としては、スピード練習はレースペースの100~105%、距離層はレースペース90~95%の練習に集中するということがあります。115%で走って追い込むような練習というのは、完全にその斜め上を行っています。これがもし基礎構築の時期や特別期で、あくまで早い動きに対して慣れを作るためにやるという目的ならまだ良いのですが、少なくとも特異期に無理してやる練習ではありません。


 また、おそらくそのレベルのペースのインターバルをやれば、少なからず疲労が残るでしょう。その影響で距離走に影響が出る可能性もありますし、回復が遅れて他の練習に対する適応度も下がる可能性があります。


 そういった意味合いから、マラソンペースから明らかに速すぎるようなペース、具体的には5km前後のレースペースでのインターバルなどはマラソン特異期においては必要なく、むしろ外していくべきだというところになります。


特異期ではどのような練習の組み方をしたら良いのか?

 では逆に、特異期ではどのような練習の組み方をしたら良いのか?実はその答えは明確で、以下のポイントを押さえて練習を組めば基本的にはうまくいきます。


・レースペース90%程度での30~40km走を複数実施

・レースペースでの20km前後の高強度走を複数実施

・レースペース105%での合計疾走距離が10~15kmになるスピード練習を複数実施


 最終的に、特異期では上記のような練習をいかに増やせるか、そして上記のような練習にどこまで適応できるかがポイントになります。


 つまり、適応できないほどの高負荷は避けながら、またレースペースから明らかに離れた練習で疲れを溜めるようなこともなるべく避けながら、本当に集中すべき練習にのみ集中していくこと。加えて、それ以外の練習では強度を落として回復に努めること。さらに、基礎体力はあくまで落とさないように、練習量だけはキープすること。


 このようなポイントをざっくりと押さえておけば、特異期の練習の組み方自体は問題なく立てられるでしょう。


 特異期のトレーニングは、いわば作ってきた土台をレース仕様に仕上げていく「レースで結果を出すための練習」に集中すべき期間です。


 その際、あなたがやろうとしている練習が、本当にレースで結果を出すための練習になっているのかどうか?また周りの練習は全て、レースで結果を出すための練習を下支えするものになっているかどうか?そういった集中すべき練習を邪魔していないかどうか?


 このようなポイントに注意して、練習を組んでみてくださいね。


 そして、この特異期の練習について、さらに具体的に、フルマラソンに向けた距離走は何週前まで実施して良いのか?レースペース90%程度とはいうけれど、95%はどうか?何キロまで実施して良いか?レースペース走はどの時期に何回くらいやったら良いのか?


 そういった細かいところまで全てざっと解説するウェブセミナーを、このたび実施することにいたしました。テーマは「マラソンに向けた特異期練習法〜実戦トレーニングと合間のトレーニングのやり方〜」です。


 こちらはフルマラソンに向けた非常に重要な実戦練習と、それ以外の日の練習の方法について詳しく解説するウェブセミナーです。これからのマラソンシーズンで、記録を狙うフルマラソンレースがある方を対象に実施します。


具体的な開催概要は以下の通りです。


【日時】10月9日(金)20時〜22時

【場所】オンライン

 *お申し込みの方にはリンクをお渡しします

【録画配信】あり

 *お申し込みの方には録画配信もします。当日ご参加いただけない方もご覧いただけます。


そして、お話しする予定の内容は、以下の通りです。

↓

・前回のおさらい(特別期をさらっと)

・特異期とは?

・特異期のトレーニングの原則

・特異期の練習で重要なこと

・特異期はどれくらいの期間設けるべき?

・特異期の練習における重大なポイント

・マラソンに向けた特異的練習例(スピード練習/距離走)

・特異期の練習の組み方の具体例(複数パターンあり)


*現時点の予定であり、多少変わる可能性があります。


 90分ほど講義をしたあと、30分ほど質問会を実施します。トレーニングでお悩みのことや、わからないことがあれば、リアルタイムで解決しましょう!


 そして、あなたがこちらのウェブセミナーをご受講いただくことで得られるメリットは以下の通りです。


・土台作りから積み上げたものをレースに使える状態に仕上げ、大きくタイムが伸びる

・フルマラソンにおける、最終仕上げの手札が増える

・心身ともに一番張り詰める特異期の練習方法に迷わなくなり、余裕が生まれる


 この内容とメリットが詰まった今回のウェブセミナーの参加費用は、3,000円(税込)となります。


 なお、こちらは参加者の方には収録映像もお届けしますので、講義動画としてご受講いただくことも可能です。リアルタイムで参加できない方も、講義動画としてお届けしますのでぜひご受講ください。


 なお、トレーニング管理アプリ【RunLab】の「プロプラン」会員の方は今回も無料でご招待をさせていただきます。


 【RunLab】は練習日誌や練習計画の作成、期分けの作成やレース管理のほか、お仕事やプライベートのタスク管理や食事管理や体重管理もできるマルチタスクアプリです。


 【RunLab】アプリのプロプランは月額3000円なので、単発での参加と同額で練習管理アプリも使えて、ウェブセミナーや私の練習会にも無料でご参加いただけるようになるとてもお得な内容となっています。


 そんなわけで、今回のこのウェブセミナー、もちろん単発でお申し込みいただいても良いですしRunLabアプリのプロプランにお申し込みいただいてご参加いただくのもおすすめです。


 ぜひ下記よりご希望のお申し込み方法にて、ウェブセミナーへご参加ください! 


 


 

ウェルビーイング株式会社副社長

らんラボ!代表

深澤哲也

 
 
 

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ランニング書籍

講師紹介
​ウェルビーイング株式会社代表取締役
池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

​ウェルビーイング株式会社副社長
らんラボ!代表
深澤 哲也

IMG_5423.JPG

経歴

中学 京都市立音羽中学校

↓

高校 洛南高校

↓(競技引退)

大学 立命館大学(陸上はせず)

​↓

大学卒業後

一般企業に勤め、社内のランニング同好会に所属して年に数回リレーマラソンや駅伝を走るも、継続的なトレーニングはほとんどせず。

​

2020年、ウェルビーイング株式会社の設立をきっかけに約8年ぶりに市民ランナーとして走り始る。

​

感覚だけで走っていた競技者時代から一変、市民ランナーになってから学んだウェルビーイングのコンテンツでは、理論を先に理解してから体で実践する、というやり方を知る。始めは理解できるか不安を持ちつつも、驚くほど効率的に走力が伸びていくことを実感し、ランニングにおける理論の重要性を痛感。

​

現在は市民ランナーのランニングにおける目標達成、お悩み解決のための情報発信や、ジュニアコーチングで中学生ランナーも指導し、教え子は2年生で滋賀県の中学チャンピオンとなり、3年生では800mで全国大会にも出場。

 

実績

京都府高校駅伝区間賞

全日本琵琶湖クロカン8位入賞

高槻シティハーフマラソン

5kmの部優勝 など​​

​

​

~自己ベスト~

3,000m 8:42(2012)
5,000m 14:57(2012)
10,000m 32:24(2023)
ハーフマラソン 1:08:21(2024)

​マラソン 2:29:44(2024)

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