深澤哲也(ウェルビーイング株式会社副社長)

4月19日15 分

私が練習で追い込まずにマラソン初心者から3年で2時間32分まで到達した2つの理由

 今から3年前の2021年、私はウェルビーイング株式会社で正式に仕事をさせていただくようになったことをきっかけに、高校卒業以来8年ぶりに市民ランナーとして走るようになりました。

 とりあえずは20分〜30分程度のジョグから始めて、慣れてきたら時間を40分、50分と伸ばすとともに、100m程度の流しを入れ始め、1ヶ月が経った頃、最寄りの陸上競技場へ行って5000mを一人で全力で走りました。この時のタイムは、18分40秒でした。

 高校は京都の洛南高校という陸上競技の強豪校にいたので、かなりみっちりとトレーニングを積んでいて、当時の自己ベストタイムは5000mは14分57秒。実に4分弱遅くなっていました。まあ、高校卒業以来ほとんど運動もしていなかったですし、昔の感覚だけでゴリ押しして18分40秒で走れたものの、体力的にはもはや完全に一般人に戻っていました。

 あれから3年の月日が経った今、フルマラソンでは2時間32分18秒までタイムを伸ばすことができました。これは5000mあたり17分55秒ほどのペースですので、3年前5000mを一本全力で走って18分40秒だったことから考えると、その8倍ちょっとの距離を当時の全力よりも速いペースで走れるようになったということになります。

 では3年前から今にかけて私はなぜ、それだけ走れるようになったのか?改めてこれまでの練習を振り返ってみると、ある特徴がわかりました。それは、練習全体のうち、8割〜9割は「追い込まない練習」で構成されていたということです。

 確かに練習メニューを見返してみても、また記憶を辿ってみてもこの3年間でオールアウトしたような記憶もほとんどないし、辛く苦しい練習に耐えた、みたいな記憶もほとんどありません(もちろん部分的にはあります)。どちらかというと日々淡々と練習を積んできたような感じです。

 でも、これってとても理にかなっている方法なんです。私の練習の8割以上は追い込まない練習だったと申しましたが、実はトップ選手であっても、また駅伝の強豪校などでも年間のトレーニングのうち、8割くらいは追い込み切らないようなトレーニングになっているのです。

 では、その追い込まない練習っていったいなんなのか?ということですが、これはズバリ「低強度」から「中強度」のトレーニングのことです。読んで字の如く、低い強度=楽な練習から、中くらいの強度=楽でもなくキツくもない練習で大部分が構成されていたことが、私がこの3年間で劇的に成長できた大きな要因なのです。

 とはいえ、市民ランナーの方の中には「追い込む練習でこそ強くなる」という言い伝えと言いますか、ある種誤解が広まっている部分も少なくありません。練習会で集まっては限界まで追い込んだり、また、楽な練習なんかやっても意味がないから、キツい練習か休養かの二択になってしまっている方が少なくないのです。

 実はそういうやり方よりも、低強度から中強度トレーニングを中心に組んで行って、たまに飾り付け程度に高強度な練習を入れていく、くらいのやり方の方が長距離ランナーにとっては練習効果の高いやり方なんです。しかも、その方が苦しまなくていいのです。

 その理由を3つに分けてお話ししていきます。

理由1:ランナーとしての性能向上

 低強度から中強度トレーニングを積んでいくことで、ランナーとしての性能は確実に向上していきます。ランナーとしての性能って何?ということですが、これはズバリ筋持久力、心肺機能、代謝システム、そして回復力です。

 まず筋持久力についてですが、これは一言で言えば接地の衝撃に耐え続けるための力のことです。ランニングという動作はジャンプの連続です。そして長距離走になると、長時間ジャンプの衝撃に耐え続けなければなりません。

 この時筋持久力が弱いと、この衝撃により脚がへたってきて持たなくなってしまいます。車で言えば、タイヤがパンクするようなものです。いいエンジンを積んでいても、タイヤがパンクしたら走れません。それと同じで、強い心肺機能があっても、マラソンで35kmを過ぎて脚がもたなくなったらもう走れません。

 この脚の筋持久力を向上させていくためには、とにかく継続的に、かつ頻度、密度高く走ることが大事です。低強度〜中強度トレーニングでは、一回あたりの強度が高くないので、走る頻度も増やせますし、継続的に筋持久力を鍛えていくことができるのです。

 次に、心肺機能です。陸上競技の本質はある距離をできるだけ速く走るというところにありますが、それは5000mであってもフルマラソンであっても変わりません。

 速く走ろうとすると当然、大きな力を生み出す必要がありますが、その為にはより多くの酸素を取り入れる必要が出てくるわけです。ペースを上げようとすればより多くの酸素が必要になるので、その分より呼吸のリズムも早くしてたくさんの酸素を取り入れようとします。そしてその取り入れた酸素をより体中に素早く巡らせる必要があります。

 この時に必要な力が心臓の強さです。心臓からいかに早く、強く血液を送り出せるかで、酸素を体内に素早く回せるかが決まります。そして、心臓も筋肉です。つまり、鍛えれば脈はより上げることができるのです。その為には、一撃でドカンと追い込むような高強度な練習はもちろん有効です。ですが、こうした練習は頻度を多く行うことが難しいです。理由は、体がついてこないから(疲労も溜まるし故障のリスクも大きい)です。

 それよりも、強度は高くなくてもいいから継続的に有酸素刺激を体に与え続けることで、心臓の筋肉も鍛えられるし、心肺機能も改善されます。そういった意味でも、低強度〜中強度の有酸素ランニングはとても効果的なのです。

 次に、代謝システム。そもそも人間の体内でどのようにエネルギーを作り出しているかご存知でしょうか。それは、外から得たものを一度体内で変換してエネルギーに作り替えているのです。この時体内で起こる化学反応全般のことを「代謝」と言います。人間は食事で栄養余を摂取し、それを代謝することでエネルギーに変換して使っています。

 そして人間は通常、この代謝を4つのシステムを同時進行で使って行っています。下記の図は私のブログや講義で幾度となく出てきたものですが、参考までに貼っておきます↓

 この図の中で右二つは「無気的代謝」=つまり酸素を必要としない代謝であり、左二つは「有気的代謝」=つまり酸素を使ってエネルギーを生み出すシステムです。そして、長距離ランナーにとってはこの「有気的代謝」が全てと言っても過言ではないくらい重要です。酸素を使った方が圧倒的に効率良く、持続性も高くエネルギーを生み出せるのです。

 ただ、「有気的代謝」には欠点があります。それは代謝速度が遅いということです。つまり長距離走やマラソンを速く走る為にはこの有気的代謝の速度を上げる(=代謝の効率化)を図る必要があります。

 また、有気的代謝の中でも酸素と糖(グリコーゲン)を使ってエネルギーを生み出す代謝はまだ代謝速度が速いのですが、酸素と脂肪を使ってエネルギーを生み出す代謝は特に速度が遅いです。トレーニング本によっては、こうした理由から「グリコーゲンを使うべきである」という主張がなされていることがありますが、これは適切ではありません。なぜならグリコーゲンは体内に400g程度しか貯蔵できないため、これではフルマラソンを走る間のエネルギーを賄いきれないからです。つまり、酸素と脂肪を使った代謝の速度も速くしておかないと、特にフルマラソンではガス欠が起きるということです。

 では、この代謝システムはどのようにして効率化されるのかということですが、その鍵を握るのが「ミトコンドリア」です。ミトコンドリアとは、酸素を使ってエネルギーを生み出してくれる器官なのですが、このミトコンドリアの機能がどれだけ高いか、そしてその数がどれだけ多いかによって有気的代謝の性能が決まります。

 そしてこのミトコンドリアの機能改善、数の増加のために欠かせないのが有酸素トレーニングの頻度と密度、そして時間です。だからこそマラソントレーニングでは距離走がとても大事なのですが、距離走は毎日やるわけにはいきませんよね。そこで効果的なのが、追い込まないレベルの有酸素運動=低強度〜中強度走の積み重ねなんです。距離走はできても週に1回程度ですが、低強度〜中強度レベルで60分前後の有酸素運動なら、やろうと思えば毎日でも実行できます。この頻度と密度の高さがミトコンドリアを活性化させ、代謝システムの向上にとても役立つというわけです。

 そして最後に回復力。ランナーとしての基礎体力の高さは、それすなわち体の回復力だと言っても良いでしょう。つまり、トレーニングを行なってから、どれだけ早くまた走れる状態に戻れるかということです。

 この回復力を決めるのもまたミトコンドリアの働きによるものです。つまり、有酸素運動をどれだけ継続的に行えるかどうかということが、自分の回復力の向上に直結するというわけです。

理由2:走技術の改善

 次に、追い込まないレベルの練習が走技術の改善につながる理由を話します。先ほどミトコンドリアの話において、「継続的な」というワードを出して話をしましたが、継続的に走ることで得られるメリットは、体が変わるという以外にも有ます。それが走技術の改善です。

 そもそもあらゆるスポーツや習い事において、大体の場合「基礎練習」の位置付けになるものがあると思います。サッカーならリフティングやボールタッチの練習、野球なら素振り、空手なら正拳突き、、これらはどの世界でもとにかく「反復」することを求められます。

 それはなぜか?答えは単純で、反復により上手くなるからです。もう少しちゃんと説明するならば、反復することによって人間の体の記憶構造が変わり、元々できなかった動きができるようになるのです。そもそも、練習を繰り返し繰り返しやることの大きな目的は、このように体の記憶構造を変えることにもあるのです。

 これがランニングにおいては、毎日の有酸素ランニングがそれにあたります。そして、毎日に近いくらいの頻度でやろうと思えば、必然的に一回あたりの強度は落として調整する必要があります。つまり、ジョグ〜中強度レベルのランニングこそが、長距離走やマラソンでは基礎練習にあたるわけです。

 そして、このような強度の高くない練習は繰り返し繰り返し実施できるので、必然的に反復することが可能となります。その結果として、自分の体にとっての最適な動きに自然に近づいていくのです。

 また、長距離走やマラソンにおける走り方で最も大事なことは「無駄がないこと」です。走り方というのは、元々の力を上回る何かを出すためのものではなく、元々ある力をできるだけ消耗しないようにするためのものです。だからこそ、無駄がないということが何よりも重視されるべきなのです。

 そこで、頻度高く反復することによって、練習と練習の間のインターバルが必然的に短くなります。つまりは休憩時間が短いということになるので、そうなると体は勝手に楽な動きを探してくれます。この繰り返しで、無駄のない走りに無意識レベルで近づいていき、結果として走りの技術も向上するということです。

 その効果を得られるだけの頻度を保ってできる練習といえば、やはり低強度〜中強度のトレーニングです。

 以上の理由から私は、低強度〜中強度がほとんどの練習の組み方で強くなることができました。それでいて、低強度から中強度のトレーニングって、そんなにキツくないんです。追い込むようなやり方ではないから、ストレスフリー。しかも私がお気に入りのやり方は、低強度から走り始めて体が温まってきたら徐々に中強度に移行するというもの。走り出す前には一切のストレスがないのです。それに、ペース設定もないから時計を気にする必要もありません。 

 明らかに労力に対して効果が高く、コスパがいいなということはずっと思っていました。だからこそ私は、この低強度〜中強度のランニングについてはこれまでYouTubeやメルマガで発信しまくってきました。おすすめしたいからです。

 そうすると、ご覧になってくださった方からたくさんのご質問をいただきました。特に多かったのは「具体的な基準がわからない」「週の中で何回やったらいいのか?」「低強度とジョギングの違いは?」「マラソンペースと中強度の違いがわからない」などなどです。

 これまでは、都度こうしたご質問にお答えしてきたのですが、その中である程度ランナーさんがわからなくなるポイントや気になるポイントの傾向がわかってきました。そこで今回、低強度から中強度のトレーニングの具体的なロードマップになるようなものを作れないかと思い、具体的なやり方を解説した講義を作成いたしました。それが「マラソン初心者からたった3年で2時間32分まで到達したワケ〜追い込まずに速くなる極意〜です。

 本講義では、ウェルビーイング株式会社副社長の深澤哲也が、マラソン完全初心者だった2021年からたった3年で2時間32分でフルマラソンを走るまでに成長できた秘訣を解説しています。

 

 2021年、市民ランナーになりたての私はフルマラソンはおろか、ハーフの完走経験もなし、高校時代にレースで走った最長距離はたった一回の10kmレースでした。マラソンランナーとしては文字通りゼロの状態で市民ランナーになった当初、5000mは全力で一本走って18分40秒。それからたった3年後にはフルマラソンを2時間32分(5000mは17分55秒ペース)で完走するレベルまで成長しました。

 

 実はそこまでの過程で私はほとんど追い込んだ記憶がありません。むしろ、トレーニングの8割〜9割は低強度から中強度レベルのトレーニングで構成されており、いわゆる「追い込まない練習」がほとんどでした。一見人から見たら「こんなものか」と言われるような練習ですが、実はその追い込まない練習の積み重ねこそが、この短期間でこれだけの成長を実現した秘訣なのです。

 

 本講義では私が「追い込まずとも速くなった」極意について、集中的に解説しています。具体的な講義内容は、以下のとおりです。

 

  • はじめに

  • 講義制作の背景

  • 低強度から中強度はなぜコスパが高いのか?

  • 練習強度とは

  • 強度で練習を管理するメリット

  • 低強度と中強度がローリスクハイコスパな理由

  • 低強度走とは?

  • 〜基準について〜

  • 〜効果について〜

  • 〜ジョグとの違い〜

  • 〜下限と上限はどこ?〜

  • 〜使い方・基礎構築期〜

  • 〜使い方・特別期(移行期)〜

  •  〜使い方・特異期〜

  • 〜使い方・調整期〜

  • 〜注意点〜

  • 〜ペースの決め方〜

  • 〜距離・時間の決め方〜

  • 〜多用すべき時期〜

  • 中強度走とは?

  • 〜基準について〜

  • 〜効果について〜

  • 〜低強度との違い〜

  • 〜LT(閾値)との違い〜

  • 〜上限と下限〜

  • 〜マラソンペースとの関係〜

  • 〜使い方・基礎構築期〜

  • 〜使い方・特別期(移行期)〜

  • 〜使い方・特異期〜

  • 〜使い方・調整期〜

  • 〜注意点〜

  • 〜ペースの決め方〜

  • 〜距離・時間の決め方〜

  • 〜多用すべき時期〜

  • 〜おすすめな使い方〜

  • 低強度走のメリット

  • 中強度走のメリット

  • まとめ

 

※約2時間強の講義動画と講義資料のパワーポイントをPDF形式でご提供予定

 

あなたがこちらの講義を受講して頂くメリットは、以下の通りです。

 

  • 「追い込む」感覚少なくしてマラソンの記録が伸びる

  • 苦しまずに走力を高められる

  • 5000mからフルマラソン全てに共通する走力が伸びる

  • 日々の練習にゆとりを持てる(精神的にも肉体的にも)

 

これだけの内容が詰まった講義がたった1980円の投資で受講して頂けます。

 

 こちらの講義は4月21日日曜日までの三日間限定で受講申し込みしていただけます。いつも通り、全額返金保証をつけており、講義を受講後万が一受講して頂けなかった場合には喜んで全額返金させて頂きます。ですが、そのようなことにはならないでしょう。私が達成した半分程度の成果でも絶対にご満足して頂けるのですが、いかがですか?

 

 お支払い方法はクレジットカード、ペイパル、銀行振込よりお選び頂け、お名前や講義をお届けさせて頂くメールアドレスをご入力頂くだけでたった5分ほどで完了します。

 

 クレジットカードとペイパルでお申込み下さった方は自動返信メールで、銀行振り込みをお選びいただいた方には入金を確認後、手動でメールにて講義をお送りさせて頂きます。

 

 キャリアメール(ドコモ、ソフトバンクなど)の場合はごくまれにこちらからお送りさせて頂いたメールがはねられてしまい、届かないことがあります。お申込み頂いた直後(10分以内)に注文の確認メールが届かない場合はお手数をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんがこちらをクリックして、問い合わせページに入りその旨お申し付けください。

 それでは講義の中でお会いしましょう!

 

 

よくある質問

質問:講義者は誰ですか?

回答:講義者はウェルビーイング株式会社副社長の深澤哲也です。洛南高校時代には京都府高校駅伝区間賞を獲得し、高校引退後8年のブランクを経て今は自身も市民ランナーとして真剣に走りながら、真剣なランナーさんが劇的成長する為の情報発信、メールサポート、練習会の運営などを手掛けています。自己ベストは、マラソンは2時間32分18秒、ハーフマラソンは1時間8分21秒、自身が運営するYouTubeチャンネルらんラボ!は33,000人以上の方にチャンネル登録いただいています。

 

質問:今回も全額返金保証はついていますか?

回答:今回も全額返金保証をつけております。万が一、受講後にご満足いただけなければ理由を問わずに喜んで全額返金させて頂きます。ですが、そのようなことにはならないでしょう。弊社の他のお客様半分程度の満足度でも絶対にご満足いただけます。

 

質問:講義はどのような形で受講するのでしょうか?

回答:お申込み下さった方にはメールにてPDFファイルをお届けさせて頂きます。そのPDFファイルの中に講義動画の中にURLが記されておりますので、そちらをクリックしてご視聴ください。

 

質問:倍速再生は出来ますか?

回答:はい、出来ます。

 

質問:ウェルビーイング株式会社とはどのような会社ですか?

回答:ウェルビーイング株式会社は、かつてプロランナーとして大阪マラソンを日本人トップで走った池上秀志が2020年に立ち上げた会社です。

 オンラインにランナーの為の日本一の学び場を作り、無料コンテンツは月間数万人の方にご利用頂き、有料コンテンツは過去3年間でのべ5000人以上の方にご利用いただき、ロンドンオリンピック男子マラソン代表の藤原新さんを筆頭に「ここでしか学べない質の高い講義」との好評価を頂いております。

 ウェルビーイング株式会社のスタッフは大阪マラソン日本人トップの池上代表取締役をはじめとし、京都府高校駅伝で区間賞を獲得し、800mの滋賀県中学チャンピオンの佐藤煉君を育て上げた深澤哲也副社長、経理担当には1500mの千葉県チャンピオンでマネージャーとして名城大学女子駅伝部の二年連続全日本大学駅伝優勝を支えた早乙女晴香(現斎藤晴香)がいます。

 

質問:講義内で分からなかったところは深澤に質問出来ますか?

回答:はい、出来ます。お申込み下さった方にはメールアドレスをお渡しいたしますので、疑問点はいつでもご質問ください。

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