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整形外科が絶対に教えてくれない軟骨とLLLTの関係性

更新日:4月10日

軟骨がすり減る


 こんなことを聞くことは無いでしょうか?軟骨とは読んで字のごとく柔らかい骨のようなもので、血管が通っていないなどの骨に近い性質を持ちながらも、コラーゲンを多く含んでおり、弾力性が多く腱や靱帯に近い性質を持っています。この軟骨がすり減るという言い方をよく聞くと思うのですが、これは実際にはどのような状態なのでしょうか?


軟骨がすり減るということ

 軟骨がすり減るという言葉は非常に分かりやすい表現だと思いますが、人間の体はコンクリートがすり減るのとは違い、常に代謝が起こり、変化が起きています。筋肉もすり減りますが(損傷する)、常に修復され、より強い筋肉へと生まれ変わったりもします。軟骨も当然生体の一部ですので、あなたが死人でない限りはコンクリートのようにすりへりっぱなしということはありません。


 しかし、軟骨には血管がないので、筋肉のように代謝は活発に行われず何らかの原因で損傷が起こると回復が非常に困難な器官なのです。軟骨の損傷が起きて問題になる代表は膝です。膝の痛みに悩む人は多く、軟骨が損傷すると痛みや機能制限が生じます。サイトカイン、一酸化窒素、TNF―αなどの炎症誘発物質が生成され、炎症反応、腫れなどが生じます。病院で膝に溜まった水を注射で抜いてもらうという話はよく聞くと思いますが、これは炎症反応の一部として生じた体液の流入によって起こる痛覚神経の圧迫を取り除くことで一時的に痛みを抑えることですが、そもそもの炎症反応を取り除かなければ、すぐにまた水は溜まります。


 また軟骨は細胞外基質(細胞外マトリックス)と軟骨細胞が特徴なのですが、この細胞外基質の主な構成要素はコンドロイチン硫酸などのプロテオグリカンです。そこで、この主成分であるコンドロイチン硫酸を錠剤で経口摂取したり、注射をうったりするという発想が出てくるわけですが、そもそも代謝に問題が起きているのが問題の根本なので、効果があるのかどうかは、他の多くの研究者たちと同様筆者も懐疑的です。


 ある医師は「牛乳飲んだからと言って骨や歯が生えてこないのと同じで、コンドロイチンを飲んだら、軟骨が生成されるわけではない」と言っていたのですが、やはりそうなのではないでしょうか。人体というのは、材料が必要なのは言うまでもないのですが、材料があって、それを細胞が分化して、構成されていくという奇跡によって維持されているのです。奇跡を見たいなら自分の体を観察すれば良いという言葉がありますが、人体とはまさに奇跡のかたまりです。


 同じようにたんぱく質を摂取してもトレーニングしなければ、筋肉はつかないし、持久力もつきません。材料は必要ですが、材料があればその器官が形成されるわけではないのです。軟骨も同様で、そもそも損傷が起こるのは代謝のプロセスに問題が生じたからです。ですから、それを改善しない限りはコンドロイチンだけを入れても、注射で水を抜いても根本的な問題解決にはならないでしょう。とは言え、水を抜けば痛覚神経の圧迫が取り除かれ、一時的に痛みから解放されるので、否定する訳でもありません。


 今回のブログのテーマは、そういった対症療法的な治療から抜け出し、LLLTによる軟骨芽細胞の成長を促し、軟骨の形成を促すことが出来るのかどうかというテーマです。


試験管内実験

 先ずはJiaらがウサギの大腿骨の部分の軟骨で実施した実験を紹介しましょう。この実験ではLLLTを24時間ごとに三回照射した群はコントロール群に比べて、有意に細胞の成長、グルコサミノグリカン、細胞外基質の凝集が確認されたとのことです。要するに、軟骨の形成が促進されたということです。


 それ以外ではくしびきさんらが行った実験では、LLLT照射開始後14日後に観察したところ、LLLT照射群では軟骨細胞の分化および軟骨遺伝子の発現度合いがコントロール群に比べて有意に高く、また軟骨の構成要素であるタイプ2コラーゲンの遺伝子発現の度合いも高かったとのことです。このことからもLLLTが軟骨の代謝を促すことがわかります。


動物実験

 次に動物実験を見てみましょう。カマリらが行った実験では、手術でウサギの膝の軟骨を損傷させ、そのあと週に2回LLLTを照射し、4週間後、8週間後、16週間後に経過を観察するという実験を行いました。その結果、8週間後の時点でLLLT照射群は膝の機能がコントロール群に比べて有意に回復していましたが、4週間ごと16週間後には有意な違いは見られませんでした。4週間後はまだLLLTの効果が出ておらず、16週間後にはいずれにしても回復していたということでしょうか。個人的にはこの実験の意図がよく分かりません。何故、毎日照射して実験をしなかったのでしょうか?毎日照射した方が違いが分かりやすいような気がするのですが。


 その後バヤットらの実験では、同じようにウサギの軟骨損傷にLLLT照射を行い、実験を行ったのですが、週2回のプロトコルと週3回のプロトコルで実験を行ったところ、週3回の照射では、コントロール群に比べてLLLT照射群が有意に治癒過程が促進されていたのに対し、週2回の方ではLLLT照射群とコントロール群に有意な差は見られなかったそうです。


 さらにほとんど同じプロトコルを見てみると、ジャヴァディらのウサギの膝蓋骨の軟骨を使った実験で、週3回のLLLT照射とコントロール群を比べたところ、有意な差は見られなかったとのことでした。これらは手術で人工的に損傷を与えていることを注記しておきます。


 次に手術ではなく、ザイサモンという注射によって人工的に引き起こした関節炎の実験を見てみましょう。モライスらの実験では、685nmと830nmのLLLTを照射したところ、2時間後には浮腫が23%、痛覚過敏が59%軽減されました。痛覚過敏の度合いをどのようにして、数値化したのかはよく分かりませんが、私の経験上も浮腫と痛みは有意に軽減されることが多いです。


 カルロスらが行った同様の実験でもLLLT照射群はコントロール群に比べて有意にインターロイキン6やインターロイキン1βらの炎症誘発性物質の量が少なく、それに伴いコラーゲンを含む軟骨組織の損傷レベルが有意に低くなりました。